建築 雑コラム 4
Architecture The s Column
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私が参加したコンペは岐阜県口腔保健衛生センター、名古屋市芸術創造センター、荻須記念館です。
このパースは私が担当で書きました。
(2012.4.10)
次は、一次審査ではダントツ一位だったが二次審査で広瀬さんの思考が変わりがらっと変更して取れなかった
有名な名古屋芸術創造センターのコンペです。
優勝は名城大学の安藤洋先生ですが、安藤先生の案は可変する舞台が魅力で優勝されたのですが、
実際建てられた建物の舞台は可変できなく、客席への動線、ホールの階段のデザインなど私が見て気になる部分が多く
広瀬さんが変更されていなければもっと良い物が出来たと悔やまれるコンペでした。
(2012.4.11)
中建築設計事務所の中で私は船戸チームに所属していました、チーフの船戸清さんからは数々の作品を通して技術的な基礎やテクニックを
学ぶことが出来ました。船戸さんの発想はかなり大胆な所があって一緒に仕事をしていてわくわくする所がありました。
担当した仕事を紹介します。
1979年 当時船戸さん29歳、私25歳の仕事で今考えてもよくやったなと感慨深い作品です
名古屋市立向陽高校(体育館に続いて順次校舎を3年ほどかけて建て直しました)
(2012.4.12)
1981年石橋邸 (新建築に掲載されました)
(2012.4.13)
1981年名古屋保育短大図書館
改めて船戸さんの力量を感じます。
船戸さんとは設計のみならず夜もジャズスナックなどへ行き独身時代を楽しみました。
(2012.4.14)
故広瀬一良先生の一番の傑作は私は自邸だと思います。
私も何度かお邪魔しましたが、内部はラワン合板オイル拭き仕上げで、スキップフロアーで構成された心地よい空間です。
広瀬さんの机は中二階にありました。
(2012.4.15)
C&Dの広瀬先生の追悼誌で初めて知ったのですがこの建物変形の切妻だったのです。
しかも広瀬さんの好きな45度振りで!
磯崎新はじめ建築家の多くは切妻を封印して採用していませんでした。
広瀬さんの「どうだすごいだろう!」という顔が浮かびます。
この建物実は広瀬さんと工務店で建てられて中建築設計事務所は図面を書いていません。
この建物から推測すると広瀬さんはもっとすごい才能を持って見えた方なのだと私は思います。
事務所の組織、建築家協会、設計監理協会、建築士会などの組織のために貴重な時間を使われたのではないかと、
少し心苦しい思いもします。
(2012.4.16)
「美について」
恩師故志水正弘先生から私は建築家の魂をいただいたと思っています、ですから先生の影響でシンプルな物が素晴らしい、
陶磁器で言えば青磁、白磁の器が最高であると信じていました。この事は建築のモダニズム建築と共通する所があります。
表参道のLAND建築事務所の近くに根津美術館がありその当時庭は出入り自由で昼休みは良くお庭で休憩に行きました。
また建物は故今井兼冶先生の創られた美術館がありました。
(今井先生は志水先生の恩師に当たられ志水先生と私達ゼミ生の写真に孫弟子が出来たと言っていただきました)
高麗白磁の壺 (2012.4.17)
最近 隈研吾さんの設計で整備されましたが、庭は以前より良くなっています。また庭の中のレストランは庭と一体化して良かったと思います。
しかし本体は二川幸夫さんが評されるほど良くは見えませんでした、(大手設計事務所でもこの程度は…)
根津美術館のお庭はお勧めです。 特に紅葉の時期は最高です。
根津美術館 お庭 根津美術館 庭の中のレストラン (2012.4.18)
根津美術館は南宋の青磁も多く展示されていましたし、尾形光琳の「燕子花図」(かきつばたづ)は有名です。
(2012.4.19)
根津美術館のある日
青磁、白磁が好きだったのですが 野々村仁清のこの器に出会ったのです。
一目で美しいと思いました。
藤の絵を取ってみても形はいいのですが、やはりこの状態が素晴らしいのです
これはいままで装飾はない方が良いと考えた範疇外にも美しい物があると気が付いた瞬間でした。
(2012.4.20)
美しい物を、最初から定義するのではなく、美しいと感じたものを集めて、それから定義する方法があると思いました。
そこで根津美術館で見つけた美しいと感じたものを紹介します。
清朝 景徳鎮の白磁に紅釉で書かれた魚 ねずみ志野茶碗 山の端
千利休茶杓 松本
(2012.4.21)
陶器では出光美術館も良く行きました。
出光美術館は陶器の勉強をするには収蔵品も多く最適の美術館です。
丸の内のビルの中にあるのですが、谷口吉郎先生設計の茶室と皇居を見ながら休憩でき、
その当時は安い入場料でお茶も紅茶も無料で提供されていましたので一日ゆっくりと利用できました。(今では無理と思いますが)
板谷波山の天目黒茶碗と出会ったのもこの美術館です。
谷口吉郎先生設計 茶室 朝夕菴 板谷波山 天目 命乞い (2012.4.22)
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