建築 雑コラム 21
Architecture The s Column
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「ウイーンの建築 2」
ウイーンは歴史のある街で、オット・ワーグナーやアドルフ・ロース以外にも観てきた建物はたくさんありますので順次紹介します。
応用美術館(1867〜1871) (地下鉄 U3 Stubentor)
建築家フェインリッチ・フェステルのネオ・ルネッサンス様式の建物(2014.9.1)
次はウイーンにあるコーポ・ヒンメルブラウ事務所のファンケシュトラーセの屋上改装
ファンケシュトラーセの屋上改装(1983〜1988)(地下鉄 U3 Stubentor)
コーポ・ヒンメルブラウ事務所はヴォルフ・プリックスとヘルムート・シェビツインスキーによる事務所で後で紹介しますガスタンクの改装の仕事もしています。
(2014.9.2)
次はアドルフ・ロースの弟子でP・エンゲルマンのヴィトゲンシュタイン邸で現在ブルガリア協会が所有して見学可能のはずであったが、見学できなかった。
ヴィトゲンシュタイン邸 (1926〜1928) (地下鉄 U3 Rochusgasse)
アドルフ・ロースの弟子らしくシンプルなモダニズム建築そのものでした。(2014.9.3)
次はウイーンのガウディーと言われる画家フンデルトヴァッサーのフンデルトヴァッサーハウス
フンデルトヴァッサーハウス (1983〜1987) (地下鉄 U3 Rochusgasse)(2014.9.4)
ピロティー部詳細
フンデルトヴァッサーは日本人の奥さんを持ちオーストリアでは大変人気がありますが、
材料にも曲線にも有機性も必然性も無くガウディーとは程遠く私は感じました。(2014.9.5)
フンデルトヴァッサーの作品はもう一つドナウ運河クルーズの途中で見付けました。
ウイーンゴミ焼却場(1991)(2014.9.6)
彼は大阪・舞洲にもゴミ焼却場をデザインしている。
フンデルトヴァッサー(1928〜2000) 大阪舞洲ゴミ焼却場(2014.9.7)
フンデルトヴァッサーハウスのすぐ近くに写真では見た事があるのですが作者が不明な建物がありました。
(2014.9.8)
次は中世の建築家エルラッハ親子の設計でバロック様式のカール教会
カール教会(1715〜1739) (地下鉄U1,4 Karlsplatz) バロック様式らしい楕円のドーム、工事中なのが残念(2014.9.9)
次はドイツで、ベータ・ベーレンスに建築を教えたヨセフ・マリア・オリブリッヒの有名なウイーン分離派館(1897〜1898)
ヨセフ・マリア・オリブリッヒ(1867〜1908)(2014.9.10)
ウイーン分離派館(1897〜1898) (地下鉄U1,4 Karlsplatz) (2014.9.11)
エントランス詳細
ホール(2014.9.12)
作品展示されているメイン展示室
壁上部にクリムトの絵がぐるりと描かれた、地下展示室(2014.9.13)
このウイーン分離派館は表現は装飾のあるセゼッションを良く表現しているが、空間構成はとてもシンプルで近代を彷彿させる。
ヨセフ・マリア・オリブリッヒ の作品ではドイツ・ダルムシュタットにある結婚記念塔が有名です。
ルートビッヒ大公結婚記念塔(1908)(2014.9.14)
次はアテネの神殿そのままの、印籠建築 国会議事堂 (地下鉄U2,3Volktheater)
国会議事堂(1874〜1883)建築家ハンセンによる(2014.9.15)
国会議事堂の隣にはゴシック建築の建築家シュミットによるウイーン市役所がある。 (地下鉄U2,Rathaus)
ウイーン市役所(1872〜1883)(2014.9.16)
市役所の向えにはオット・ワーグナーの前の世代で「様式論」を著作したドイツ人建築家ゴッドフリード・ゼムバーによるブルグ劇場がある
ブルグ劇場 (1874〜1888) (地下鉄U2,Rathaus)(2014.9.17)
王宮の中にもゼムバーの作品で新王宮がある。
新王宮(1881〜1913) (地下鉄U2 Museumsumsuuuquartier)(2014.9.18)
ブルック劇場から北東へ300mほど行くとオーストリアバロック建築家のヒルデブラントによるダウン・キンスキー宮殿がある(地下鉄U3Herrengasse)
外壁工事中のダウン・キンスキー宮殿 バロック様式 中庭が美しい(2014.9.19)
ダウン・キンスキー宮殿の斜め迎えに外観は目立たないが、中に入るととてもきれいなパサージュがあるフェルステル宮殿がある。
(地下鉄U3Herrengasse)
フェルステル宮殿外観 真ん中のアーチ奥にあるパサージュ(2014.9.20)
近くには前出のロースハウスも王宮もある、ロースハウスの向いにミヒャエル教会(地下鉄U3Herrengasse)
(13世紀に後期ロマネスクで建設、15世紀にゴシックで増築18世紀に新古典主義で改装された)
ミヒャエル教会 内部(2014.9.21)
ミヒャエル教会の北隣に建築家マックス・ファビアニによるアルタリア・ハウスがあるシンプルなファサードは斜め向えのロースハウスに影響を与えたと言われている。
アルタリア・ハウス(1900〜1901) (地下鉄U3Herrengasse)(2014.9.22)
アルタリアハウスの前にハンスホラインのデビュー作で有名なレッティ蝋燭店(1964〜1965)がある。
レッティ蝋燭店
これは予想通り、アルミのファサードが、古い街並みに打たれた楔の様な斬新さがありました。
ハンス・ホライン (1934〜2014)(今年の4月に亡くなりました) (2014.9.23)
シュテファン大聖堂から北西に200mほど行くとスロベニアの建築家ヨセフ・プレチェニックの傑作ツアヒエルハウスがある。
ツアヒエルハウス (1903〜1905) (地下鉄U1,3Stephansplatz)(2014.9.24)
銅版の頂部レリーフ
彫刻と縦丸目地の御影石外壁 村野藤吾も影響を受けているのではないかと思われた。(2014.9.25)
ここで、少しコーヒーブレイク ウイーンから西へ270km行ったドイツとの国境近くにモーツアルト、カラヤンの生まれ育ったザルツブルグの街がある。
今回は日帰りでこの街の観光も行ってきましたのでご紹介します。
私にとってザルツブルグの街は、中学の時観た映画「サウンドオブミュージック」の舞台であった街で、
映画の背景と重なる所が多くありさらなる感動を呼びました。また、英語で初めて覚えた歌「ドレミの歌」がつい出てきます。(2014.9.26)
ザルツブルグの街に入る前に立ち寄ったのが東南の山々と湖ザルツカンマグートのヴォルフガング湖半の街
ザンクト・ギルゲンです。
ザンクト・ギルゲン(2014.9.27)
ヴォルフガング湖(2014.9.28)
ザンクト・ギルゲンはモーツアルトの母の出生地で母親の生家がモーツアルトハウスとして公開されている。
ドイツ、スイスに近い地域なので街並みもそれらしい雰囲気の街並みです。
街並み(2014.9.29)
サンドオブミュージックではザルツカンマグートの山や湖でも多くのカットが撮られています。
ザルツブルグへ行くまでは田園や、牧場、高原が続きました。
ザルツブルグへの田園風景(2014.9.30)
映画「サンドオブミュージック」
サンドオブミュージックでマリアと子供たちが踊っていた、ミラベル宮殿の庭園
ザルツブルグ
ミラベル宮殿(2014.10.1)
ヴォルフガング・アマデウス・モーツアルト(1756〜1791)
鼻の先がとがったモーツアルト、ウイーンの市内でもこんな鼻の人を多く見かけました(日本人の低い鼻とは違います)
母親の生地のヴォルフガング湖(たぶん地名)が名前の前に付いています。(2014.10.2)
モーツアルトが生まれてから17歳まで住んだ家 17歳以降の家(2014.10.3)
ホーエンザルツブルグ城塞から見たザルツブルグの街(2014.10.4)
うすくてきれいなシュダーツ橋、橋を渡って正面の家が有名指揮者カラヤンの生家
ヘルベルト・フォン・カラヤン (1908〜1989) (2014.10.5)
ウイーンに帰って新しい現代建築を紹介します。
フランスの建築家ジャン・ヌーベルが最近設計したホテル ソフィティル ウイーン シュテファンスドーム
ソフィティル ウイーン シュテファンスドーム (地下鉄U2,4Shottenring) 歩道部のガラスの庇
このビルは夜見ると天井面のライティングに映し出されたステンドグラスが美しいらしい。(2014.10.6)
このビルの向かいにハンス・ホラインの設計したビルがある。
ハンスホライン設計のビル(2014.10.7)
ドナウ運河遊覧船
ツインシティーライナーのターミナル
ザハっぽい流線型のターミナル(ファッシュ&フックス設計)(地下鉄U2,4Shottenring)(2014.10.8)
ザハ・ハディット シュピッテラウの集合住宅 (地下鉄U4,6Spittelau)(2014.10.9)
地下鉄U1 Kaisermuhlen-vienna int centere の駅を降りると目の前に国連都市ウイーンがある。この周りは新しい建物が現在も建ち続けている。
J・シュタバー設計 国連都市 ウイーン (1973〜1979)(2014.10.10)
ドミニク・ペロー設計の建設中のガラスのファサードの高層ビル 廻りにある高層ビル(2014.10.11)
駅前にあった電界着色ステンレスの外皮の教会
電界着色のステンレスの外皮の教会 内部は壁天井共木製パネル、丸いドットの窓が意外に明るい
オーストリアの建築家
ハインツ・テーザー の作品です。
内部は木合板でとても良い秀作でした。(2014.10.12)
次は中央貯蓄銀行ファヴォルーテン支店ですが現在は銀行ではなく一部のみバック屋さんで使われていました。
オーストリアの建築家ギュンター・ドメニクの作品で私の同級生高崎正治君もたぶんこの作品に協働していると思います。
高崎君の最初の作品で原宿の事務所で志水研究室の同級生杉田康志君と2年以上かかって設計していた、
「結晶のいろ」(Crystal Light)と共通する所が多くあります。(2014.10.13)
ギュンター・ドミニク 中央貯蓄銀行ファヴォルーテン支店 (地下鉄U1 Keplerple)
バットマンが出て来そうな建物です。(2014.10.14)
ウイーンの最後に煉瓦積のガスタンクをジャン・ヌーベルとオーストリアの建築家コープ・ヒルメルブラウ、M・ヴェードン、C・ホルツマイスターが一棟づつ
リノベーションした作品でこの周りにも新しい建物が出来て都市の再開発になっていました。
ガスメーター略図(地下鉄U3,Gasometer) コープ・ヒルメンブラウの担当したOFFICE棟(2014.10.15)
棟間の見上げた景色 ジャン・ヌーベル担当のショッピング、OFFICE棟(2014.10.16)
どの棟も煉瓦のガスタンクを上手くリノベーションした秀作でした。
映画館とショッピングが入った色ガラスで覆われた建物(内部はそれほどでもなかった) ベランダのはね出しが面白い集合住宅(2014.10.17)
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