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建築  雑コラム 32

Architecture         The s   Column    

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フィンランドの建築 2

前回 フィンランドの建築 ではアルバー・アアルトを中心に観て来ました、今回は前回行けなかったTurku(トゥルク)のエリック・ブリュグマンの

復活礼拝堂を観たくて再びヘルシンキに立ち寄りました。

今回は中央駅に近いスカンディック・シモンケンタホテル Scandic Simonkentta Hotel に泊まりました。

施設も交通の便も良く快適なホテルでした。ホテルのすぐ隣に木の教会、カンピ礼拝堂があります。

設計はヘルシンキの若い建築家グループ K2SArchitects の設計です。

フィンランドらしく木を使った丸っぽい建物を多く創っています。

  
  カンピ礼拝堂 (2012年) (2017.4.9)

外壁は松材の30mm位の厚さの板を90mmピッチ位に重ねて造られています。

      
      築4年ほどたっているが、汚れも灰汁もない状態 クリアー塗装は何を使っているのだろう?(2017.4.10)


                   
                  内部の仕上げも全て 木 (2017.4.11)


                   
                  外壁と屋根とのスリットから漏れてくる光は木の内壁を浮かび上がらせている(2017.4.12)


                     
                     椅子も 木 でシンプルなデザイン(2017.4.13)

                        
                        神父の説教台も簡素なデザイン 緑のクロス上のクロスが貼ってある(2017.4.14)


                                                        ロウソク台(2017.4.15)

とてもさわやかさを感じる礼拝堂で毎日朝はここを訪れてから一日がスタートしていました。 

さて、今回の目的エリック・ブリュグマンの復活礼拝堂を見に行きましょう。


ヘルシンキ中央駅から


案内に従い13番線Turku行の列車に乗ります。(2017.4.16)



かっこいい列車です


内部もとても綺麗です(2017.4.17)

ヘルシンキからトゥルクまで特急で1時間53分かかります。

トゥルク駅からバスで行く計画をしていましたが直接行けるバスはなく結局タクシーで行く事になりました。

                
               針葉樹の森の中にあります(2017.4.18)

スエーデン・ストックホルムのアスプルンドの森の礼拝堂とよく似た環境です

               
               復活礼拝堂正面 鍵がかかって入れません(2017.4.19)


               
               裏口

               
               なんと日曜日・月曜日はお休み

せっかくここまで来たのに! がっかりです(2017.4.20)


               
               近くで草刈りしている女性に話しかけてみると管理人さん 特別に中を見せてくれました


エリック・ブリュグマン     北欧ナショナル・ロマンチズム建築  復活礼拝堂 (1941年)(2017.4.21)


椅子は斜めに配置されています(2017.4.22)


森につながる窓


正面 右に大きな窓があってそこからの光が正面を浮かび上がらせています(2017.4.23)


               
               ドアのデザインはナショナル・ロマンチズム建築らしい

               
               階段手摺(2017.4.24)

トゥルクの街中のアウラ川のほとりに13世紀に建てられたトゥルク大聖堂があります。


トゥルク大聖堂 下部のレンガ造部分に比べて塔の先端部分のプロポーションが小さい?(2017.4.25)


                
                ロマネスク調の内部だが天井のリブはゴシックぽいが高さはない、

                                    
                                    下から見上げるとゴシックぽい

フィンランドでは国教の総本山に当たるカトリック教会で何度も増改築を繰り返しているそうです。(2017.4.26)

街中の市場広場の近くに円形の正教教会があります。


正教教会

          
          内部 (2017.4.27)

正教教会から丘を登ると山頂にトゥルク美術館があります。

                 
                 トゥルク美術館

あいにくこの日は月曜日で美術館も休日でした。(2017.4.28)

ヘルシンキに戻って、今回の二つ目の目標であった、ジュハ・レイビスカのミュールマキ教会を見に行きます。

ヘルシンキ中央駅から電車Pラインで20分ほどでLouhela駅に着きます、駅のすぐ前にこの教会はあります。


ミュールマキ教会 1985年  鉄筋コンクリート造 タイル貼 のシンプルな外観です。(2017.4.29)

            
            縦のスリットの窓とアルミの外壁(2017.4.30)

外観からは内部空間の素晴らしさはあまり分かりません。

                
                内部 正面(2017.5.1)



内部 横からパイプオルガンを見る(2017.5.2)


              
              境界空間の中を飛び交うようなペンダントの照明は志水先生の蓬莱旅館の群れボタルの照明を思い浮かべました。

              
              群れホタルの照明(2017.5.3)


縦のスリットの窓から光が差し込みます。(2017.5.4)

                      
                      椅子もシンプルなデザインです(2017.5.5)

前回 改修工事中だったアルバー・アアルトの設計で1958年にできた 文化の家(トラム1A Brahhenkatu駅)に再び行ってきました。


文化の家 (1958年(2017.5.6)

左のレンガの壁の上に銅板の緑青で緑になった屋根のホール棟と右の窓が整然と並ぶ事務棟がV字に配列されその間がエントランスとなっている。

        
        エントランス(2017.5.7)


                   
                   右の事務棟 (2017.5.8)


                            
                            外壁は銅板で縦リブ加工、窓は木製で左の換気、開き部分と右の大きなFIX部分からの構成
                            このパターンはアアルトの建物でよく見かける(2017.5.9)



左のホール棟 当日はクローズドされていてホールの中は見学できませんでした
週一日の決まった時間に見学できるようです。(2017.5.10)


                 
                 知人から頂いたホール内部の写真を載せます、今度は中も是非見てみたいと思います。(2017.5.11)

これも前回中が観れなかったアカデミア書店の隣の隣のビルで鉄の家と呼ばれているラウタタロ・オフィス・ビル(1955年)です。(トラムylioppiastaio駅)


鉄の家 ラウタタロ・オフィス・ビル(1955年)(2017.5.12)


        
        隣のレンガのビルの隣がアカデミア書店(2017.5.13)

             
             窓廻りの詳細、前出の文化の家の窓廻りの構成と同じですがこちらの建物の方が3年ほど早い(2017.5.14)


                     
                     2階にあるセンターホール

この建物はオフィースビルで管理がされていて中に入れませんが何とか2階のこのホールのみ見学できました。

アアルトの初期の建物でこのホールの丸いトップライトなどのデザインボキャブラリーはこれ以降のアアルトの建物に何度も出てきます。(2017.5.15)

アカデミア書店にも再度寄ってみます。


アカデミア書店(1969年)(トラムylioppiastaio駅)

鉄の家から14年後の建物です、外壁は鉄の家同様銅板で菅、外観はよりシンプルになっています。(2017.5.16)



アカデミア書店内部(2017.5.17)

センターにトップライトを取ってこのセンターホールを中心に空間が構成されている手法は鉄の家と同じ構成です。

しかし何回入ってもこの外観からこの内部空間はイメージできなくこの空間に感動してしまいます。

                 
                 トップライトの詳細(2017.5.18)

アカデミア書店の中にカフェ・アアルト があります。ここで一休みランチを取りましたが」とてもおいしくお勧めです。


カフェ・アアルト でのランチ(2017.5.19)

今回もスオマライネン兄弟が設計したペンテリオウオキ教会、スチーブン・ホール設計のキアズマにも立ち寄りましたが

詳細は前回雑コラム14フィンランドの建築を参照ください。

最後にアメリカの建築家エーロ・サーリネン(1910年〜1961年)の父親エリエル・サーリネン(1873年〜1950年)の設計した

ヘルシンキ中央駅で終わりにします。

          
          ヘルシンキ中央駅(2017.5.20)

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