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建築  雑コラム 50

Architecture         The s   Column    


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デンマークについて




2022年 新年明けましておめでとうございます。

コロナ禍で海外に行く事もできませんでしたので、今年は思い出話!

上の写真はデンマークの巨匠建築家アルネ・ヤコブセンが1956年

竣工した、コペンハーゲン近郊のロドオア市の市庁舎の会議室です。

2016年に見学に行きましたが、築60年全然古くは感じませんでしたし、

十分現役で市の職員も自慢の建物でした。

職員さんの話では「この会議室週末の夜に使われるそうで、市会議員

(県会議員)はボランティアで無給だそうです、そしてその市会議員を選ぶ

選挙の投票率は90%位だそうです」こんな話を思い出しました。

日本はG7に入る先進国だと思っていましたが、民主主義ではまだまだ

発展途上国なのだと感じました。

デンマークは幸福度が世界で一番の国と言われます。

高福祉高負担国家で税金は高いのですが、教育、医療、介護は全て税金

で賄われます。その高い税金が有効に使われているのかと関心をもって

自分たちの社会を創る気持ちが高い投票率となって表れているのでしょう。

今年のコラムはデンマークについて調べてみようと思います。

本年もよろしくお願いいたします。



上記は今年の事務所の年賀状です。 こんなわけで今年はデンマークについて調べてみます。
(2022.1.1)


まずは巨匠建築家アルネ・ヤコブセン




アルネ・ヤコブセン (1902年〜1971年) 

ヤコブセンは建築のみではなく家具や、照明、時計、などプロダクトデザインでも有名です。 (2022.1.2)

私の大学の志水研究室の卒業記念はヤコブセンの灰皿でした。

            
            ステンレスのヤコブセンの灰皿

シンプルでとても洗練されたデザインです。 (2022.1.3)

年賀状のロドオア市の市庁舎を詳しくご紹介します。


ロドオア市庁舎 (1956年)

今から66年も前に建てられたカーテンウォールの当時ではとても斬新なデザインだと思います。  (2022.1.4)

この一年後の1957年に丹下健三が設計した旧東京都庁舎が竣工していますが、

             
             旧東京都庁舎 (1957年)

1991年に新都庁舎に移転し解体されて(寿命34年)現在は東京国際フォーラムが建っています。  (2022.1.5)

寿命の短い近代建築で60年以上現役で使われ続けている事が素晴らしい事なのです。


裏側 柳の木の左に会議室と中央は通路   (2022.1.6)


              
              カーテンウォールの外壁  (2022.1.7)


                  
                  開口部詳細     (2022.1.8)

                      
                      足元詳細 地下室に採光用のガラスブロック   (2022.1.9)

                               
                          ステンレスのマリオンと水平方向にもステンレスでできた格子状の中にスチールサッシが収まっている
                          

シンプルでとtもきれいな納まりだがこれで60年もたせるためには、定期的なメンテランスがしっかりされていたためだろう  (2022.1.10)




玄関ホール    (2022.1.11)


        
        とても軽快で洗練された階段 現在でも十分通用するデザイン  (2022.1.12)


                 
                 天井から吊っている! ヤコブセンの階段のデザインはどの建物もとてもうまいと思います。 (2022.1.13)



会議室棟への通路   (2022.1.14)



      
       会議室    (2022.1.15)


               
              会議室逆方向から  

デザインの良い建物は残る! この方程式は村野藤吾の建物でも感じた方程式です  (2022.1.16)


私はヤコブセンはもっと評価されても良いと思います。

ヤコブセンに関する本を紹介します



芸術新潮 2007年12月号 特集アルネ・ヤコブセン  (2022.1.17)


               
               ARNE JACOBSEN ヤコブセンの建築とデザイン TOTO出版  (2022.1.18)

ヤコブセンの建築に興味のある方は雑コラム31にて私の観て来たヤコブセンの作品をご覧ください


「市会議員(県会議員)はボランティアで無給」なのはデンマークだけなのか調べてみました。

北欧のフィンランド、スエーデン、ノルウェーも無給(交通費などの実費は支給されている)でボランティアです。

イギリス、フランス、スイスも原則無給(交通費などの実費は支給されている)です。

ドイツは原則無給だが議員活動により収入に損失を受けた分は保証される制度です。

無給の国はやはり議会は夜に開催されていて負担が少ない時間帯で行われています。

アメリカ イタリア、カナダなどは少額100万円/年以下の支給があるが日本の地方議員の700万/年

と比べるとはるかに少なく議員数も日本の半分以下です。またj女性の議員数も日本に比べるとはるかに多い。

ボランティアに近い志のある一般市民によって政治が支えられている民主主義の原則を見るようです。

地方議員のみではなく国会議員の年収も各国比較すると

日本274000ドル/年 アメリカ174000ドル/年 ドイツ133279ドル/年 イギリス102364ドル/年

デンマーク100587ドル/年 フランス98647ドル/年 フィンランド89317ドル/年 スエーデン86556ドル/年

どうやら日本の政治に関する現状は世界から見るとまだまだ発展途上のようです。  

無給にというと議員は金持ち以外が出来なくなると言われると思いますが、まずは北欧の国で議員が金持ばかりなのか?

どの様な仕組みになって運営されているか、調べて良いところを日本に採用できる柔軟な議員を増やすところから?  (2022.1.19)


幸福度の2021年の世界ランキングも調べてみました。

順位国名スコア
1位フィンランド7.842
2位デンマーク7.620
3位スイス7.571
4位アイスランド7.554
5位オランダ7.464
6位ノルウェー7.392
7位スウェーデン7.363
8位ルクセンブルク7.324
9位ニュージーランド7.277
10位オーストリア7.268
11位オーストラリア7.183
12位イスラエル7.157
13位ドイツ7.155
14位カナダ7.103
15位アイルランド7.085
16位コスタリカ7.069
17位イギリス7.064
18位チェコ6.965
19位アメリカ6.951
20位ベルギー6.834
21位フランス6.690
22位バーレーン6.647
23位マルタ6.602
24位台湾6.584
25位アラブ首長国連邦6.561
26位サウジアラビア6.494
27位スペイン6.491
28位イタリア6.483
29位スロベニア6.461
30位ガテマラ6.435
31位ウルグアイ6.431
32位シンガポール6.377
33位コソボ6.372
34位スロバキア6.331
35位ブラジル6.330
36位メキシコ6.317
37位ジャマイカ6.309
38位リトアニア6.255
39位キプロス6.223
40位エストニア6.189
41位パナマ6.180
42位ウズベキスタン6.179
43位チリ6.172
44位ポーランド6.166
45位カザフスタン6.152
46位ルーマニア6.140
47位クウェート6.106
48位セルビア6.078
49位エルサルバドル6.061
50位モーリシャス6.049
51位ラトビア6.032
52位コロンビア6.012
53位ハンガリー5.992
54位タイ5.985
55位ニカラグア5.972
56位日本5.940
57位アルゼンチン5.929
58位ポルトガル5.929
59位ホンジュラス5.919
60位クロアチア5.882
61位フィリピン5.880
62位韓国5.845
63位ペルー5.840
64位ボスニア・ヘルツェゴビナ5.813
65位モルドバ5.766
66位エクアドル5.764
67位キルギス5.744
68位ギリシャ5.723
69位ボリビア5.716
70位モンゴル5.677
71位パラグアイ5.653
72位モンテネグロ5.581
73位ドミニカ共和国5.545
74位北キプロス・トルコ共和国5.536
75位ベルラーシ5.534
76位ロシア5.477
77位香港5.477
78位タジキスタン5.466
79位ベトナム5.411
80位リビア5.410
81位マレーシア5.384
82位インドネシア5.345
83位コンゴ5.342
84位中国5.339
85位コートジボワール5.306
86位アルメニア5.283
87位ネパール5.269
88位ブルガリア5.266
89位モルディブ5.198
90位アゼルバイジャン5.171
91位カメルーン5.142
92位セネガル5.132
93位アルバニア5.117
94位北マケドニア5.101
95位ガーナ5.088
96位ニジェール5.074
97位トルクメニスタン5.066
98位ガンビア5.051
99位ベナン5.045
100位ラオス5.030
上位は北欧の国々でデンマークは2位です

G7(先進7か国)のドイツは13位 カナダ14位 イギリス17位 アメリカ19位 フランス21位 イタリア28位)

そして日本は何と56位 

幸福度という評価では日本は先進国ではないようです。(2022.1.20) 

もう一つ興味深い資料を見つけました。

世界銀行が2006年に調査した統治力のランキング表です。



やはり上位は北欧の国々でデンマークは7位です、日本は15位で民主主義の項目が75で100のデンマーク、フィンランドと比べると

私が感じた発展途上を裏付ける数字となっています。 アジア地域は民主主義に関しては明らかに遅れています。

先進7か国G7も何をもって先進国なのか考え直して見る必要がありそうです。 (2022.1.21)


デンマークはドイツの北ユトランド半島の半分と多くの島から成り立った国です。


デンマーク地図

面積は4.3万平方メートル で日本の九州とほぼ同じ面積です。 (日本の約1/9)  (2022.1.22)
(グリーンランドとフェロー諸島は夫々自治権をもって独立していると考え面積に入れていません)


地図2

首都はセラン島の東端スエーデンに近い位置のコペンハーゲンです。  


人口は581万人で 福岡県510万人より少し多い位です。 (日本の約1/20)  (2022.1.23)




気温は東京より少し低いが北海道ほどではなさそうです。

冬の最低気温は-3度ほどで夏の最高気温は19度ですから夏は過ごしやすそうです。  (2022.1.24)




降水量は日本と違って少なく冬も少ないので積雪は殆どないそうです。   (2022.1.25)


政体は日本と同じ王様がいる立憲君主制でデンマーク本国、グリーンランド、フェロー諸島を含めてデンマーク王国となっている。

立憲君主制? 勉強不足で深い意味が分かりませんでしたので調べてみました。(あくまでも私の独断ですが以下のように解釈します)

中世は王様に主権が全てあった絶対君主の時代でしたが、近代に移る時市民革命が各地に起こり市民の意見を重んじる議会が出来

議会によって国が運営できるようになった。日本で言えば明治維新になります。

その時王様を残し王様の権限を制限した体制が立憲君主制で日本も天皇が残って国民の象徴とされています。

イギリスやスエーデン、デンマーク、ノルウェー、ベルギー、スペイン、タイ、ブータン、など立憲君主制の国は多くあります

またその時王制をなくした国が市民が主権を持つ共和制の国となります、フランスはフランス革命で王制を抹消し共和国となりました。

フランスの他にはドイツ、アメリカ、フィンランド、ロシア、韓国、ブラジルなどがあります。

共和国は大統領が国家元首となることが一般的です。

大統領のいる国は王様がいない国と理解してよいようです。  (2022.1.26)


デンマークの君主は日本の天皇に続く歴史の長い王様のようです

現在はマルグレーテ2世が女王となっています。


マルグレーテ2世 (1972年〜)  (2022.1.27)


デンマークも日本と同じ王様は男子優勢長子相続制を取ってきたが1953年にデンマーク王位継承法によって女子にも継承権が出来

初めての女王となっているます。 

日本の天皇も男子優勢長子相続制を継続できるか議論の最中ですね!

一夫多妻によって支えられた時代の制度でデンマークの様に女王も認めないと君主制は維持できなく共和制に移行するか?

なんて言い出す人が出てきそうです。   (2022.1.28)


現在の首相は2019年6月27日に就任しました、第42代メッテ・フレデリクセン首相です。(社会民主党)



メッテ・フレデリクセン首相 (1977年〜) 着任時45歳   (2022.1.29)


45歳若い首相ですが、デンマークの2000年以降の首相の着任時の年齢を見ますと

アナス・フォー・ラムスエン  2001年着任  48歳

ラース・ロムケ・ラムスセン  2009年着任  45歳
                

ヘレ・トーニング=シュミット 2011年着任  45歳
女性初代首相

ラース・ロムケ・ラムスセン  2015年着任  51歳

メッテ・フレデリクセン     2019年着任  45歳

首相は40代〜50代までの働き盛りの世代です  (2022.1.30)


では日本の首相は?

森 喜朗   2000年着任  62歳

小泉純一郎 2001年着任  59歳

安倍晋三   2006年着任  52歳

福田康夫   2007年着任  71歳

麻生太郎   2008年着任  68歳

鳩山由紀夫  2009年着任  62歳

菅直人     2010年着任  63歳

野田佳彦    2011年着任  54歳

安倍晋三    2012年着任   58歳

菅義偉     2020年着任  71歳

岸田文雄    2021年着任  64歳


という結果となります。  (2022.1.31)


皆さんどの様に考えますか?

デンマークの首相は在任期間が日本の倍くらい長く若い!

私は行動力と未来に対する責任から考えると若い首相の方が重荷を背負って長く働けるのでは?

と考えました。

また日本に女性の首相が現れるのは何年先にになるのだろうと思いました。  (2022.2.1)


次にデンマークの国会(デンマーク語でフォルケティング)は1953年から一院制となっています。

議員数は179名で任期は4年です。 国会議員年収 平均760万/年(国民の平均年収に近い金額)

デンマークで議会が出来たのは1849年でイギリスの上院(貴族院)に当たるランドスティングと

下院(庶民院)に当たる(フォルケティングの二院制でしたが1953年に一院制になりました。

議員は全て比例代表制によって選出されます。  (2022.2.2)


一院制少し調べてみました。

世界の6割の国が一院制でした。北欧の国スエーデン、ノルウェー、アイスランドは二院制から一院制に移行しています。

日本は1890年 貴族院と帝国議会の二院制より国会が開催される。

1946年 貴族院に代わり参議院 帝国議会に代わり衆議院の二院制となる。

衆議院議員 465人   参議院議員  242人   合計707人

日本の小選挙区の選挙結果を見ていますと全て比例代表制にした方が国民の意見を素直に反映できると思います。

地域の代表の事も考えると中選挙区比例代表制を私は推します。

国会議員 平均年収 3600万/年

以上です皆さんはどう考えますか?  

この国会議員年収の差は民主主義の先進国とアジアの後進国をそのまま表しているようです。

国会議員の年収の世界ランキングを参考にしてください  (2022.2.3)


国が赤字なのに大丈夫でしょうか? 本来は「隗より始めよ」で国会議員が見本となって次の世代に負担を残さない政治を!と思います。

デンマークの国債残高は1157億 そして残高の推移を見ると減少しています。

すなわち次世代に負担をかけないように努力の跡がみえます。 (2022.2.4)


では日本は


日本の国債

国債残高は1000兆円を超えます 借金大国です  (2022.2.5)

参考資料として

世界の政府総債務残高(対GDP比)ランキン

世界の国の借金のランキングって?日本は何位?

国民一人当たり900万円/人の借金です 家族4人としますと 3600万円/家族 の借金です

全て次の世代に負担がかかっていきます。 

デンマークと日本を比較してここまで見てくると日本の現状のひずみに気が付きます。 (2022.2.6)


デンマークはEU加盟国ですが、貨幣はデンマークの貨幣クローネが使われています。1クローネ=17.28円(2022年1月現在)


クローネ  (2022.2.7)


ヨーロッパを一つの国の様に考えるEUの人が自由に行き来できるシェンゲン協定の加盟国ですから加盟国間はパスポートなしで行き来できます。


シェンゲン協定の加盟国  (2022.2.8)


ヨーロッパを一つの国の様に考えるEUについてもう少し書きます。

2回の世界大戦の舞台になった敵対国同士が隣り合うヨーロッパで、また多くの人種がまじりあうヨーロッパで

一つの国を目指すEUの発想と、その現実化に踏み切ったことに感心します。

詳細は外務省の 「EUとは」 を参照ください。


アジアでこの様な物ができるのは何時になるのだろうか、 「エ!戦前に大東亜共栄圏があったのでは?」と言われる方もあると思いますが、

私は全く違うと思います。  (2022.2.9)


デンマークのGDP(国民総所得)は

順位国名単位(百万US$)
1位  米国22,675,271
2位中国16,642,318
3位日本5,378,136
4位ドイツ4,319,286
5位イギリス3,124,650
6位インド3,049,704
7位フランス2,938,271
8位イタリア2,106,287
9位カナダ1,883,487
10位韓国1,806,707
11位ロシア1,710,734
12位オーストラリア1,617,543
13位ブラジル1,491,772
14位スペイン1,461,552
15位メキシコ1,192,480
16位インドネシア1,158,783
17位オランダ1,012.598
18位スイス824,734
19位サウジアラビア804,921
20位トルコ794,530
21位台湾759,104
22位イラン682,859
23位ポーランド642,121
24位スウェーデン625,948
25位ベルギー578,996
26位タイ538,735
27位ナイジェリア514,049
28位オーストリア481,796
29位アイルランド476,663
30位イスラエル446,708
31位 ノルウェー444,519
32位アルゼンチン418,150
33位フィリピン402,638
34位アラブ首長国連邦401,513
35位エジプト394,284
36位デンマーク392,570
37位マレーシア387,093
38位シンガポール374,394
39位香港368,633
40位ベトナム354,868
41位バングラデシュ352,908
42位南アフリカ329,529
43位チリ307,938
44位フィンランド300,484
45位コロンビア295,610
46位ルーマニア289,130
47位チェコ276,109
48位ポルトガル257,391
49位ニュージーランド243,332
50位ペルー225,9182021年GDP世界ランキング

デンマークは36位です。 日本は3位です。

G7 先進7か国はどうもGDPからの基準のようです。

ですが国民の人数の大きな国は自然に大きな数字になります (2022.2.10)


では一人当たりのGDPは


【2020年】
順位国名単位:US$注
1ルクセンブルク
116,921
2スイス
87,367
3アイルランド
85,206
4ノルウェー
67,326
5米国
63,358
6デンマーク
61,1541
7シンガポール
59,795
8アイスランド
59,6431
9カタール
54,185
10オーストラリア
52,905
11オランダ
52,456
12スウェーデン
52,129
13フィンランド
48,786
14オーストリア
48,5931
15香港
46,657
16サンマリノ
46,2821
17ドイツ
46,216
18ベルギー
44,688
19イスラエル
44,181
20カナダ
43,295
21ニュージーランド
41,165
22イギリス
40,3941
23フランス
40,299
24日本
40,0891
25アラブ首長国連邦
38,661
26アンドラ
36,631
27マカオ
35,621
28プエルトリコ
32,645
29韓国
31,638
30イタリア
31,6041
31マルタ
28,955
32台湾
28,358
33スペイン
27,179
34キプロス
26,785
35ブルネイ
26,061
36バハマ
25,7341
37スロベニア
25,549
38バーレーン
23,590
39エストニア
23,0361
40チェコ
22,9431
41クウェート
22,684
42アルバ
22,4831
43ポルトガル
22,149
44サウジアラビア
19,996
45リトアニア
19,9811
46スロバキア
19,1451
47ギリシャ
17,657
48ラトビア
17,5491
49セントクリストファー・ネイビス
17,1731
50ウルグアイ

一人当たりのGDPランキング


デンマークは6位 日本は24位です。 

一人当たりの生産性はこの数字で比較する方がよいとおもいます。

ノルウェー4位、アイスランド8位、スエーデン12位、フィンランド13位と北欧の国が目立ちます。 (2022.2.11)


国民の平均年収は


1位 スイス 1073万円

2位 ノルウェー 921万円

3位 ルクセンブルク 899万円

4位 デンマーク 835万円

5位 オーストリア 791万円

6位 アイルランド 767万円

7位 オランダ 685万円

8位 アメリカ 645万円

9位 ベルギー 641万円

10位 カナダ 638万円

11位 スウェーデン 624万円

12位 イギリス 614万円

13位 フィンランド 608万円

14位 オーストラリア 599万円

15位 ドイツ 547万円

16位 フランス 541万円

17位 イタリア 431万円

18位 日本 429万円

19位 イスラエル 408万円

20位 スペイン 403万円       1ドル=113円(2017年12月時)

デンマークは4位835万/年、日本は18位429万/年 でした。

一人当たりのGDPのランキングと共通する部分があります。  (2022.2.12)

日本はまだまだですが、国が赤字の日本の国家公務員の平均年収は662万/年、地方公務員は728万/年です

公務員の方は世界ランキング10位以内になります。

国民の平均年収より200万以上の年収をもらっている公務員の方はそれ以上の能力で税金を有効に使っているのでしょうか?

それをチェックする地方議員、国会議員の質が前にも書いたように世界レベルの先進国からはるかに劣っていて国民の税金が有効に

使われていないように思います。やはり日本は後進国ですね!

デンマークやスエーデン、フィンランドなど北欧の国は公務員の年収が国民の平均年収を上回らない様に議員はチェックしているそうです。

前にも書きましたが、国会議員 地方議員の人は 「隗より始めよ」 で出直す必要があると思います。

また私たち国民も民主主義の自覚をしてレベルを上げて行く必要があると思います。

まずはそれにふさわしい立候補者が出てくれれば良いんですが! (2022.2.13)


では物価はどうでしょうか?


世界で最も生活コストが高い国 2020

1位:スイス 

2位:ノルウェー

3位:アイスランド

4位:日本

5位:デンマーク

6位:バハマ

7位:ルクセンブルク

8位:イスラエル

9位:シンガポール

10位:韓国

11位:香港

12位:バルバドス

13位:アイルランド

14位:フランス

15位:オランダ

16位:オーストラリア

17位:ニュージーランド

18位:ベルギー

19位:セーシェル共和国

20位:アメリカ


デンマーク5位 日本4位でほぼ同じとみてよいようです。

私の感覚ですと北欧の国は東京よりマクドナルドのビックマックは高かったと思います(私の物価基準)

年収と物価を比較するとデンマークの方が生活しやすいように思います。
(2022.2.14)


いよいよ話題の税金について調べてみます。

年収500万の一般家庭の場合のデンマークと日本の税制で比較してみたいと思います。

まずは消費税

デンマークは25%で   日本は10%です。    (2022.2.15)


次に 所得税  住民税  

デンマークでは、年収500万円の場合は約80万円までの所得税率が8%、それ以上の部分が40%ですので単純な合計は174万円。これには住民税も含みます。(デンマーク大使館より)

日本は20%  住民税10%     (2022.2.16)


医療保険費

デンマーク 8%    日本10%  (治療費デンマーク0  日本3割負担)   (2022.2.17)


年金 介護保険

デンマーク 0   日本18%   (負担割合1割〜3割)

教育費

デンマーク0   日本 高校、大学 実費負担


デンマークの税金はとんでもなく高いと感じていましたが比較するとどちらも高そうですね。  (2022.2.18)


デンマーク大使館のフェースブックで見つけました

「デンマークの税金は高くない?」 をコピーしました。

 【デンマークの税金は高くない!?】

北欧デンマークは重税というイメージありますよね。たしかに税率は高いです。それでどうやって経済を維持できるの?という質問もよくいただきます。



 でも、よく見てみると、日本もデンマークもそれほど実際の負担は大きく違わないかも知れません。その秘密は・・・


 例えば年間所得500万円のケースを考えます。

 
 日本だと所得税率が20%、住民税が10%です。但し、所得から社会保険料などいろいろ控除できますので、

 実際には500万円まるまるにこの税率がかかるわけではありませんが。

 
 それから、健康保険の保険料10%強、厚生年金の保険料が18%ほどかかります。

 会社との折半ですので自分が全部を負担するわけではありませんが、デンマークだと社会保険料は存在しないので、

 これらの人件費は全部給与として本人に支払われると考えると、実質的には28%ほどの社会保険料率が日本ではかかっていると考えることもできます。

  所得税20%、住民税10%、社会保険料28%の合計は58%です。

 もちろん所得からのいろいろな控除があるので実際にはもっと小さい率になりますが、表面的には大きな数字です。

 
 一方、デンマークでは、年収500万円の場合は約80万円までの所得税率が8%、それ以上の部分が40%ですので単純な合計は174万円。

 これには住民税も含みます。

  デンマークは社会保険はないので、所得からの負担は以上です。実質35%です。

 その他教会税などを負担する場合もありますが、それでも40%程度の負担です。

 
 単純に所得税率だけを見ると所得500万円で40%ですので確かにデンマークは重税です。

 しかし、社会保険料などの負担全体として見ると、日本もデンマークもそれほど大きな違いはないということもできます。


 税金をたくさん持っていかれるので、デンマークでは働いて稼ぐ気が失せるのではないかという主張は、一見正しいようで正しくありません。

 
 また、デンマークでは社会福祉が充実しているため、将来何かあっても国が面倒を見てくれる安心感があるため、

 あまり自分で貯金したり、保険に入る必要がないとも言われます。その意味でも、表面上の税率の高さに国民から大きな反対はないようです。

 
デンマークの国民は高い税金と感じていない、それに見合う教育、医療、介護、社会福祉が提供さてていてそれを有効に運用する国会議員や

地方議員の活動をチェックし選挙に反映しているのでしょう。

またデンマークではCPRナンバー (国民総背番号制度)がとられて脱税ができない様になっています (2022.2.19)


ここからはここの分野を比較してみます。


まずは出産から。

出産前の妊婦と胎児の検査




デンマーク 全て無料        日本 医療保険適応外、医療費控除対象外
                  (出産育児一時金42万が後日支給されるが、出産費用はこの金額以上かかる50万以上)

デンマークでは出産1か月前から産休に入り、平均産休275日、男性取得産休平均22日、産後14週目までは勤務先から給料全額支給

その後は国庫から生活費200万/年が支払われますので安心して出産できます。

デンマークでは子供は「次世代の社会の宝」として貧富の差なく「平等と公平」に国が責任をもって育てる考えが基本のようです。

日本では男女平等と言えない社会で非正規職員の女性が多く、その多くが出産で職をなくすことが多く、安心して子供が産めなく

人口が減少しています。
(2022.2.20)


デンマークでは経済的・社会的に困難なシングルマザーや、妊婦の支援に「母子支援センター」があって

・施設内での妊婦の保養滞在

・施設内での乳幼児を持つ母親の休暇滞在

・育児支援

・出産前後における保護者への経済面への助言対応

・母子家庭生活相談経済面での助言対応

・妊婦や幼児を抱える家庭への住居斡旋

・姿勢への法的。経済面でのアドバイス

参考資料「デンマークにおけるシングルマザーを取り巻く環境」

日本にも「母子相談センター」があってシングルマザーへの相談に応じていますが、まだまだ全面的な対応出されていない漢字がします。

デンマークの妊婦は日本の妊婦と比べて出産に関する経済的、社会的援助が厚く不安なく出産できる様です。

その結果かもしれませんがデンマークは人口が増加していて、 日本は人口が減少しています。 (2022.2.21)


デンマークでは産後ほとんどの女性は職場に復帰します、

日本の様に出産を理由に解雇されたりシングルマザーを理由に就職が不利になることがないそうです。

根本的にこの部分を改善しないと日本は次の時代を担う国民を産む事が困難で、その結果人口が増え無い結果となると思います

しかしあきらめる事はありません、デンマークも1983年の出生率は1.38まで落ちそれ以降対策した結果

2009年には出生率1.9まで改善しています。  (2022.2.22)



0歳から3歳児

次は0歳〜3歳児までの保育について比較してゆきます。

デンマークでは母親のほとんどは職場に戻り殆どの子供がダウブライヤモアー(デンマーク語で介護お母さん)に預けられます。

市町村の認定を受けた保育ママが自宅で4人まで保育します、自分の子供も含めることも可能です。

保育時間は月曜から金曜日までで朝6時半から夕方6時半までで料金は利用時間によります。

35時間/週ですと5300クローネ(90100円)市町村助成金3975クローネ(67575円)(75%) 自己負担金 1325クローネ(22525円)

48時間/週ですと6300クローネ(107100円) 市町村助成金4372クローネ(74324円)(75%)  自己負担金 1928クローネ(32776円)

2人利目からは料金が半額になります。

保育ママは4人保育すると40万/月当たりの収入になりビジネスとして成り立ちます。
(2022.2.23)


日本での0歳〜3歳児の保育は 0歳児保育可能の保育園と家庭的保育定員5人までの保育ママがあります。

1.2歳の保育園利用率は年々上げってきていて現在は50%くらいです。

地域によって違っていますが私の住む愛知県は利用率35%とまだ少ないようです。

また数年前に話題になりました待機児童の問題は改善傾向にあるようです。

利用料金は地域によって違っているようですが、名古屋市の0歳〜2歳児の保育料 を見ますと

世帯の収入によってA〜Dのクラス分けしてそれぞれ料金を出しています。

Cクラスを市民税額でさらに10分割して料金が設定されています。 利用時間は標準で275時間/月(11時間/日までに限る)

利用金額は?クラスで6400円〜64000円となっています。参考で国の基準は19500円〜104000円になっています。

地域によってかなり金額が違います

2人目は半額、3人目は無料なる地域もあってデンマークと一緒の対応になる部分もあります。
(2022.2.24)


次は幼稚園について

デンマークは保育園と幼稚園の区別はないようですが幼児教育の考え方が日本と違っています。

詳しく書かれたホームページを紹介します、「デンマークの幼児教育」  「森のようちえん」 「デンマークの幼稚園の一日
(2022.2.25)

デンマークは0歳〜17歳までの子供を持つ全家庭に児童家庭手当が支給されます。支給額は2009年の資料で

0〜2歳 16428クローネ(約33万円)/年  3〜6歳 13004クローネ(約26万円)/年 6〜17歳 10232クローネ(約20万円)/年

デンマークは次世代の国民を育てるのために税金を使う姿勢がはっきり見えます。

日本にも似た制度があります、児童扶養手当です。 これは離婚によってシングルになったり、親がいない子供を扶養する家庭に支給されています。

日本の姿勢は困っている人は助けます、という姿勢で次世代の国民を育てる姿勢は見えません。

日本の幼稚園は文部省の管轄で小学校への準備施設の様な取り扱いで

小学校への就学を控えた子どもへの教育
乳幼児を除く1歳から小学校就学前までにかけて行う教育
3歳から幼児教育施設において行う教育
の様で人間形成の重要な時期なのに教育という言葉が前面に出ているのが気になります。

幼稚園にかかる費用は 公立幼稚園 約22万円/年   私立幼稚園 約53万円/年
(2022.2.26)


デンマークの教育システムは

公立学校をフォルケスコールという

幼児クラス 0学年(6歳)

初・中等教育 1〜10年生(7〜16歳)

私立学校

フリースコール

幼児クラス 0学年(6歳)

初・中等教育 1〜10年生(7〜16歳)

フリースコールは運営管理費として保護者負担が約9500クローネ(約19万円/年)掛かります

エフタースコール(市立中学校)

8〜10年(14〜17歳)

全寮制の学校で保護者負担は約6万円/月かかります。 (2022.2.27)


デンマークは義務教育にはなっていませんが、フォルケスコールで無料で教育を受ける権利を有しています。

教科書は担当の先生が選択し10年間使いまわされます。 日本は各自に文部省指定の教科書が支給されますが、

使いまわしで問題なければ(デンマークでは問題ないのだろう) どれだけの税金が違うことに使えることになるのだろう?

教科では日本の教育の教科の他にキリスト教の知識(人としての倫理教育)、交通安全学習、健康と性教育及び家庭の知識、

職業及び労働市場に関する知識(社会にある職業について、また両親の職業や、起業の仕方、コンピューターの使い方プログラミングなど)

を全学年を通して教育されています。  (2022.2.28)


英語は4〜9年生の間 6年間の教育で殆どのデンマーク人は英語を話すことができるようになっています。

また試験も通知表もありません、日本の様に生徒を試験でランクするのではなく、社会で活躍する国民の最低限の知識とその生徒の特性や

能力を見つけ伸ばす教育のようです。試験はフォルケスコール卒業の時に卒業に価しているかまだ価していないかの評価の試験がされます。

日本の教育とはかなり根本が違っているようです。 学習塾なんかないのでしょうね! (2022.3.1)


ヤコブセン設計のフォルケスコールも観てきましたのでその写真を紹介します。

ロドオア市に1964年に建てられたニュエア小学校です。

         
         ニュエア小学校(1964年) (2022.3.2)


                          
                         中庭と一体になったクラスター型の教室で天井の高いハイサイドからの採光が部屋全体を明るくしている


もう一つ1957年に建てられたケムンゴー小学校を見てみましょう。  (2022.3.3)


コペンハーゲン市 ケムンゴー小学校へはエストーAライン Vangede駅下車 徒歩15分ほどにあります。


ケムンゴー小学校(1957年) (2022.3.4)


          
          中庭と一体になったクラスター型の教室 やはりハイサイドの窓から採光を取っている  (2022.3.5)


                
                1200ほどあるPC板のキャンティー階段   (2022.3.6)



教室と中庭が一体化しています (2022.3.7)


          
          北側の2階建て教室  (2022.3.8)


                  
                  体育館  (2022.3.9)



体育館 ステンレストラスのマリオン  (2022.3.10)


                           
                           体育館 内部  

65年前にできた学校で現在も使われています、日本の現在の学校よりも斬新です。 良い建築は長持ちします。 (2022.3.11)


試験がない学校では学力が落ちるのではと日本人は考えますが、デンマーク人は勉強好きの人日本人より多くてその反響は国際競争力として

評価できます。

IMDの 2021年「世界競争力ランキング」



デンマークは3位  日本は34位 です。  なぜでしょう?  (2022.3.12)

記憶力、知識量でランキングされた日本の受験勉強の教育は、有名大学そして有名企業への就職のために順位づけするための教育で

それによって選ばれた人がその職業に本当に適合しているのか? 

次の世代のための社会を築く国民はこの教育でよいのか?

考え直す事だと私は思います。  (2022.3.13)


デンマークの学校には部活動がありません、スポーツクラブなどは地域の大人が指導するクラブに行くようです。

日本の様に学校に部活動があって先生も部活動の指導もやっているのでは、先生の負担が多くなりすぎて現在日本も少し部活動を学校外で

指導できればと移行しつつあります。 (2022.3.14)


高校は2〜3年で入学試験は無くフリースコールの7〜9年生の間の成績と適正を基準にするそうです。

コースは普通科と商業化、工業化に分かれ普通科は数理系と文系に分かれています。

普通科を卒業して社会に出る場合は追加に33週間の教育を経て「事務補佐員」の資格を経て会社の事務員になれます。
(2022.3.15)


高校の他に職業教育学校(2〜4年)もあります、次の12コースがあります。

@動物・植物・自然 − 庭師、グリーンキーパー、農業従事者、森林自然技術者など

A生産と開発 − コンピューター技術者、ボイラー技術者、船舶技術者など

B電流・制御・IT − 電気技術者、データー及び通信教育者など

C自動車・飛行機その他運輸機器 − 航空整備士、自動車整備工など

D建築・土木 − 左官・建築技師、ガラス業者、煙突掃除者、木工、石工業者など

E建物と保全管理 − 住宅保安業者、住宅管理業者など

F運輸とロジステック − 倉庫や物流センター業者、郵便業者、車両整備業者など

G商業 − 小売専門販売員、一般事務員、金融事務員、通商専用事務員など

Hメディア − 映画、テレビ技術者、カメラマン、看板技術者など

I食品・食料 − 製菓およびパン業者、栄養士補助員、酪農技術者、受付、ウェイターなど

J保険・介護および教育 − 病院技術者補佐員、社会健康介護員、歯科補助員など

K美容 − 美容師、ヘアメイクなど

ずいぶん細かく選別されています (2022.3.16)


実習訓練が重視されていて実習訓練では見習い給も出て卒業後はすぐに職場で仕事に就ける様に成るそうです。

ヨーロッパに古くからある職人を育てる制度が下敷きになっているようです。

自分が選択したコースが自分に合っていないと思われたときはコースの変更も可能です、自分に合った仕事を見つけて自然に社会に

入って行き、有効に社会貢献できるシステムのようです。 (2022.3.17)


デンマークの社会は全ての職業に資格制度がとられていて(一般の会社の事務員にも資格がある)高校の商業科、工業科、職業教育学校の

卒業時に資格がもらえてそのまま職業について社会に貢献して収入を得ることができます。

仕事の資格を重視しますので学歴社会もない、日本では考えられない社会です。

学校と社会が日本と違ってスムーズにつながっているように感じました。  (2022.3.18)


高校の普通科を卒業するレベルに達しているかを判定するスツダエクサメン(高等学校卒業資格)があって、

他校の教師も交えた公平な評価をするそうです。

評価は筆記試験と口頭試験で資料や教科書持ち込みありの試験で6点以上が合格点で13点が満点6点以下は落第留年となっています。
(2022.3.19)


コペンハーゲン大学 (2022.3.19)

大学は学校ごとのランク付けはなく学費は無料で、入学時に高校の卒業時の評価で判定されるようです。

学部によって基準が違い、医学部の様な特別の学部は評価が上位のレベルに達していないと入学できないそうです。 

スツダエクサメントを10点以上取っていれば医学部をはじめ度の学部にも入学できるそうです。 (2022.3.20)


また、大学入学時の18歳になると、デンマークでは成人とみなされ選挙権、被選挙権もあります、そして多くは保護者の両親の家から離れ

独立します。18歳からは国が保護者となります。(2022.3.21)



コペンハーゲンの学生寮 (2022.3.21)


大学に入学する学生も独立しますが、生活費はSU(就学支援金)として国庫から支給されます。(返済しなくて良い)

2010年で月額5100クローネ(7万7000円)ですが、足りない場合は国庫から低利の融資も受けられます。

デンマークの大学は入るのは容易ですが卒業はとても難しく入学者数の3割前後しか卒業できません。

学歴社会でありませんので、大学にはより高度の知識を身に着けようと言う志を持った学生しかいないのでしょう。

ですからアルバイトをしていては卒業できないので融資を選択する学生が多いようです。 (2022.3.22)


日本の大学では多くの学生はアルバイトをして生活していますが、アルバイトをしなければ生活できない

また返済義務のある奨学金で卒業後数百万の借金を背負う日本の現状はおかしいと思いますしそこまでして

大学に行かなくてはいけないのかと思います。 (2022.3.23)


私も大学で教えていましたが、アルバイトで欠席したり、疲れて授業中に寝ていたりする学生を多く見ました、

私は「皆さんはこの授業に時間3000円くらい出して勉強しに来ているのです、その時間を無駄にして時給700円のアルバイトに行く事は

どちらだ得か分かっていますか?」と良く投げかけましたが、それでもアルバイトしなければ生活できない状況があったのだろうと思います。

社会も大学生のアルバイトを安い労働力として期待しています。

日本はやっぱりおかしな社会です。  (2022.3.24)

デンマークでは高校卒業後大学入学する間に一年間アルバイトや、海外旅行、海外での生活をする学生が多い様です。

私は若い時の海外旅行を体験することを学生に進めていましたので大学入学前のこの時期の旅行はとても良い体験だと思います。
(2022.3.25)


大学を卒業し就職する時に資格が与えられそれによって給料が決まります、ですから大学間の差は無くどんな資格を取るかによって仕事が決まる

ようです、前にも書きましたがデンマークの社会の全ての職種に資格制度がとられていて、たとえば〇〇という資格をもってA社に勤めていて

B社に転職して同じ〇〇の資格の仕事をする場合の給料は同じだそうです。  (2022.3.26)


少し資格について私の仕事建築設計に関しての例で捕捉します、

大工になりたいと思ってA君は職業訓練校で3年間 + 実習と理論学習を6か月〜11か月 すると「大工の資格」が得られそれを管理する

「デンマーク林材産業」の労働組合に入ります、この資格では全国一律時給約180クローネ(訳2700円/j時)の収入となります。

もう少し報酬を上げたければ3年半かけて職業学校に通って「建物構造技術師」の資格を得ると時給から月給となって約2万8000クローンネ

(約43万円/月)得ることができんす。  (2022.3.27)


さらに大学に入って5年かけて「アーキテクツ(建築家」の資格を得れば月給約3万3000クローネ(訳50万/月)の報酬が得られます。

高校の普通科から大学に進学して「アーキテクツ」の資格を得るコースももちろんあります。

あるレベルに達していれば、入学試験もなく入学でき学費も無料で、前にも書きました生活費も支給されます。

自分の成りたい職種の資格を得て社会に貢献することでそれ相当の公平な報酬を得るシステムは日本の社会から見ればうらやましい気がします。
(2022.3.28)


日本と違って、この様に一つの職場に定職することは少ない様でモチベーションを上げるために平均8年間で転職するのが一般的なようです。

転職を希望して会社を辞めても基本的な生活費は保護され、モチベーションを上げるための次の職場へ対応する教育機関へは無料で行けます。

その教育機関で卒業とともに資格を得て、その資格に対応する労働組合に入る事で職場と給料が決定する仕組みのようです。

まあ日本より不安なく自分のモチベーションを上げた職場につくのでしょう。

日本の様に能力のない年齢だけ上の上司が無駄な仕事をさせている非効率な職場(特に公に近い職場)は無いのでしょう。
(2022.3.29)


日本の様な学歴社会、年功序列の社会とは大きく社会の仕組みが違っていることが良くわかります。

日本と同じく65歳から年金が支給され、デンマークでは一般的にはそれより少し前の62歳くらいでリタイアするのが一般的のようです。
(2022.3.30)


次は医療について調べてみます。

前にも書きましたがデンマークでは医療費は無料ですべて税金から賄われています。

日本の健康保険は3割負担で、税金の他に健康保険料(年収400万で平均2.5万円/月)、その他に民間の医療保険に多くの方が入っていて

平均2万円/月 払っています。

デンマークの全額無料と 日本の3割負担+健康保険+医療保険 (それでも老後に不安があるので貯蓄もしている)  を比較するとどちらか?
(2022.3.31)


デンマークでは生まれるとその人対応「家庭医」が決まります。「家庭医」は一人だいたい1500人くらいの地域住民の健康を受け持ちます。

「家庭医」はその地域に根ざしますので、空きのできた場合のみ交代できる職で日本の様な自由に開業できる診療所とは違う様です。

住民は決められた「家庭医」で定期的な健康チェックを受け、病気の場合最初の診察を受けてから、家庭医の紹介で専門病院へ紹介されます。

日本と大きく違うことはほっておくと「死にそうな病気」はすべて無料で最大限の対処をするが、「死ぬことのない病気」は自然治癒力で直すのが

基本のようです。  (2022.4.1)


ですから 多くの風邪の場合 薬も注射もなく数日の自宅療養を指示されます。

また歯科医療は「死ぬ事のない病気」なので有料となっています。

日本の様に薬付けで駄々洩れの医療費ではなく、家庭医が無駄な医療費を使わない様に「共生」の気持ちを根幹にした仕組みのようです。

日本も特定機能病院、地域医療支援病院へは、一般診療所の紹介状をもって行かないと診療されません。このシステムはデンマークの

家庭医から専門病院への流れに近いのですが、日本の診療所の医師は自分では対応できないので大きな病院に回す様に感じます。

デンマークの家庭医はこの症状のこの病気はどこの病院のどの医師に託すべきかを選択し患者にとってベストな治療を選択してくれます。

同じようですが、大きく違うと思います。 (2022.4.2)


次は年金制度について調べてみます。

デンマークには定年は無く60歳を過ぎたから解雇されたり、給料を下げられることはないそうです。

日本と同じ65歳から国民年金が開始されます、一般的にはそれより少し前62歳くらいでリタイアする人がほとんどらしい。

年金は基本の「国民年金」と上乗せの「労働市場不可年金」 リタイアから「国民年金」支給の65歳までの「早期退職年金」の3つがあります。
(2022.4.3)


「国民年金」

デンマークの「国民年金」はすべて税金化で賄われますので日本の様に税金の他に年金負担金を支払いません。

その分税金が高いのでしょう。

デンマークの税金と日本の税金と比較する時は

デンマークの税金 = 日本の税金+健康保険料+介護保険料+後期介護保険料+年金負担金+教育費(高校、大学、専門学校、商業訓練校)

で単純に税率のみで比較してはいけないと思います。 (2022.4.4)


国民年金の構造は「基礎額」と年金手当」の二つで成り立っています。

「基礎額」は国民全員に一律支給される低額です。

「年金手当」は家族構成に応じて金額が変わります。単身者と夫婦家族と比べると家賃や光熱費など夫婦ですと共有できますのでその分安くなります。  (2022.4.5)


夫婦二人の年金は

基礎年金約13万800クローネ(約196万円)+「年金手当」約6万5600クローネ(約98万円)=約19万6400クローネ(約295万円)になります。   (2022.4.6)


年金受給年齢である程度収入があると減額になります。

年収約27万7000クローネ(約416万円)以上の人は減額となります、

また約49万クローネ以上(735万円有価証券や利息収入も含む)の人は国民年金の全額を受け取れません。

高齢者が生活する最低限必要となるお金を税金で賄う制度なので、生活費を十分に持っている高額所得者には払う必要がないと考えます。

日本ですと高額所得者は高額の税金を払っているので年金もその分貰って良いのではと考える人もいますが、

デンマークでは「みんなが協力して作る社会」=共生の精神が基本となるので、「みんなが払ったお金をお金持ちに払うのはおかしい」と考えるのが一般的だそうです。 (2022.4.7)


基本的にここらあたりの思考がポイントで高額の税金も「みんなの社会を創るために」ので高額と思わない。

「みんなのお金を有効に使うために」しっかりチェックし、ボランティアの市会議員を選挙で評価する行為が高選挙投票率になるのでしょう。
(2022.4.8)


「労働市場付加年金」 (ATP) 

日本の厚生年金同様 雇用者(約2/3 約180クローネ/月 約2700円/月)と被雇用者(1/3 約90クローネ/月 約1350円/月)が
定額負担(約270クローネ 約4050円/月)し、国民年金に上乗せする制度です。

受け取れる額はフルタイムとパートタイムで違いますが満額ですと二万クローネ/年 (約30万円/年)です。

日本の国民年金のみの方と国民年金+厚生年金の方との金額の開きよりははるかに少ないようです。 (2022.4.9)


私の知人にお役所勤め30年民間企業天下り20年の方がいます、彼はお役所の共済年金に国民年金+厚生年金で40万程度/月の年金をもらっています。(天下り給料1000万/月 退職金8000万円  公務員に天下りや、天下り機関があるうちは日本の税金は有効に使われないでしょう)

またデンマークではボランティアの市会議員、県会議員も日本では12年の任期で議員年金が付きます。

私の意見ですが、日本の年金は「国民年金」、「厚生年金」 「共済年金」 「議員年金」 も全て一つの年金制度でもっと単純に平等にするべきだと思います。 (2022.4.10)


「早期退職年金」

任意の制度で給与所得者が積み立てる年金制度で、60歳から65歳までの5年間支給される。


加入条件として ・失業保険組合のメンバーである
          ・早期退職年金制度に加入していること
          ・全額受給する場合は30年以上の積み立てが必要

例えばフルタイムで働いている人が30年間15万7840クローネ(約267万円)(7420円/月)積み立てると、

60歳から65歳まで合計88万9200クローネ(1334万円/年)を受け取れます。 ちなみにこの金額が上限になります。

デンマークは退職金がないのでこの制度を利用する人が多いそうです。  (2022.4.11)


「高齢者福祉制度」

デンマークでは高齢者の介護を民企業や団体に委託することは認めておらず、市町村が介護を担っていて多くは在宅看護を主体としている。

高齢者の状況に合わせた介護のメニューで、また必要な時に24時間電話で対応できるシステムのようです。

住み慣れた自宅で必要な部分介護してもらえ、全て無料です。

日本の介護が民間企業(特に病院経営者の設立介護施設)にゆだねられ、高齢者介護から収益を出すために安く労働負担の多い介護士

の不適切なニュースから日本の介護はビジネスになっているからおかしい?といつも思っていますが、

デンマークの様に民間企業ビジネスにゆだねられない姿勢はこれがほんとだと思います。 (2022.4.12)


「生活支援制度」

デンマークには前にも書きました「失業者支援」「早期年金制度」に加え失業支援制度の期間が過ぎてしまった人に「生活保護支援制度」が

あります。支給が始まってからも就職活動をする必要があって、半年ごとに支給額が減っていくので本気で就職活動をしなくてはいけません。

日本の様に再就職する気のない老人も失業保険をもらう手続きをしてもらえるものは貰おうなんて考える人は居ないのでしょう。

民主主義を支える民意の程度の違いで、得票率と同様日本はまだまだ発展途上です。 


そのほかに年金生活者や学生、など収入の少ない人が家賃で生活が苦しくならない様に「住宅手当支援制度」があります。

日本では一人暮らしで少ない国民年金のみの高齢者が不安を持って暮らしている現状を思うとありがたい制度です。  (2022.4.13)


「税」

デンマークでは生まれた時から個人等奥番号制度がとられ銀行口座も健康保険、運転免許、給料もすべてこの番号が必要となります。

また企業や店舗にも事業者番号制度がとられます。 たとえばA社(事業番号12345678)がB氏(個人番号300370-1234)に給料を出すとき

の記録でお金の動きが分かります。

ですから脱税が出来なく全ての国民が均質に税を収めるシステムになっています。 (2022.4.14)


年収640万のサラリーマンの税を参考例で書きます

国税 18.6%   市町村税 25.6%  健康保険掛け金 8%  労働市場基金 8%  となりますやはり高いですね!

この他に消費税が25%ですからかなりの高負担です。  (2022.4.15)


税と社会保険健康保険などを加えた国民負担率を比較した表があります



デンマークの71.7%を思考に北欧諸国が後に続きます、日本は39.5%になります。

高福祉高負担の状況が良くわかります。  (2022.4.16)


デンマークの現在の問題点

世界で一番の幸福の国と言われているデンマークでも問題点はありますそれを少し書きます。

「離婚率」



デンマークは人口1000人当たり3人 離婚率は40%でロシア、アメリカ、共産主義国、北欧の国は高く40%以上で

日本は35%で少し低い位置に居ます。  (2022.4.17)


両親の離婚は次の世代に影響を与えます、問題行動を起こす児童の多くは両親の離婚が原因の場合が多いと言われています。

個人主義の20世紀の思考の根幹から考えると他人が一緒に生活する家族も変化して行くのでしょう。

でも次世代の事を考えるとこれでよいのか?  21世紀の問題ですね! (2022.4.18)


「自殺」

幸福な国でも自殺率は問題となっています、デンマークの自殺率は10万人当たり11.9人でドイツと同じでイギリス6.4人、イタリア6.3人

でヨーロッパの中では多い方です、

日本はもっと多く24.4人でこの問題は両国とも今後考えなければいけない問題でしょう。 (2022.4.19)



デンマークでは18歳で独立し家から出ていきますので夫婦二人世帯となりますまた、離婚率も高いので一人世帯も多くなります、

ですかr孤独感を感じる人は多く自殺にも結び付いているそうです。


日本の様に三世代が一緒の家に住むような家族は無いそうです。

私の家は三世代同居の家です、祖母が孫に伝えることも多く、孫が多くの家族に気を遣う事は社会性を持つ良い機会になっていると思います。

デンマークの良いところは参考に、日本の良いところも生かして次の社会が出来ていくことを祈ります。

(2022.4.20)

これでデンマークは終了します。



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