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建築  雑コラム 48

Architecture         The s   Column    

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運慶 快慶  鎌倉時代の仏像

平安時代の平等院の阿弥陀如来像で有名な定朝から円派、院派、慶派へと引き継がれていきます。


2017年10月号芸術新潮より  (2021.7.19)

慶派は定朝から続く直系の興福寺を拠点とした奈良仏師の流れで運慶の父親康慶から始まる

まずは康慶から

康慶の出生、没年は不詳となっていますが、平安時代の出生で鎌倉時代に亡くなっていると思われます。

平安時代後期に三十三間堂の造仏中心を担ったのが康助で康助亡き後康朝が引継ぎ康慶は両者の弟子ないしは協力者の立場にあった

と考えられています、また康助、康朝と何らかの血縁関係にあった可能性もあるとされています。

平安時代末期(1180年)奈良の街は平家の攻撃で炎上し東大寺も、興福寺も大半を焼失することになりました。

康慶は興福寺の南円堂の造仏を担うことになります。


興福寺南円堂
南円堂は10月17日の特別公開日のみ拝観できます。 (2021.7.20)


         
         不空羂索観音菩薩坐像 (鎌倉時代1189年 寄桧木造 漆箔 玉眼 国宝 高さ336cm)

康慶の代表作で重量感のある仏さまです (2021.7.21)

同じく堂の中にあります法相宗興隆に貢献のあった学僧の像法相六祖像があります

           
           常騰像 (鎌倉時代1189年 寄桧木造 彩色 玉眼 国宝 高さ73cm) 
           (2021.7.22)


              
              神叡像 (鎌倉時代1189年 寄桧木造 彩色 玉眼 国宝 高さ81cm)
              (2021.7.23)


                  
                  善殊像 (鎌倉時代1189年 寄桧木造 彩色 玉眼 国宝 高さ83cm)
                  (2021.7.24)


                    
                    玄ム像 (鎌倉時代1189年 寄桧木造 彩色 玉眼 国宝 高さ85cm)
                    (2021.7.25)


                      
                      玄賓像 (鎌倉時代1189年 寄桧木造 彩色 玉眼 国宝 高さ77cm)
                      (2021.7.26)


                          
                          行賀像 (鎌倉時代1189年 寄桧木造 彩色 玉眼 国宝 高さ75cm)
                          (2021.7.27)


同じく南円堂の中にあります四天王像です


持国天像  (鎌倉時代1189年 寄桧木造 彩色 彫眼 国宝 高さ204cm)
(2021.7.28)


      
      増長天像  (鎌倉時代1189年 寄桧木造 彩色 彫眼 国宝 高さ202cm)
      (2021.7.29)


             
             広目天像  (鎌倉時代1189年 寄桧木造 彩色 彫眼 国宝 高さ204cm)
             (2021.7.30)


                   
                   多聞天像  (鎌倉時代1189年 寄桧木造 彩色 彫眼 国宝 高さ195cm)
                   (2021.7.31)

iいよいよ運慶となります

運慶も正確な出生は記録がありませんが平安時代末期1150年前後ではないかと言われています。

鎌倉時代中期1223年に亡くなっています。


 
六波羅蜜寺の運慶坐像と言われている (鎌倉時代  木造  重要文化財)  (2021.8.1)


                         
           運慶坐像 (鎌倉時代  木造  重要文化財)   (2021.8.2)



運慶作とされる仏像は多くあるが、確定しているもの と 強く推定できるもの 運慶作との説のあるものに分かれます。

運慶は多くの仏師がいた工房の長でしたので運慶工房作で何処まで運慶がかかわったかは分からないのでしょう

まずは運慶作と確定している像で私が見た事のあるものから見ていきます。

若き運慶26歳が独力で創り上げたと言われている奈良 円成寺の大日如来坐像

       
       浄土式庭園で池の迎えに山門があります  円成寺      (2021.8.3)


               
               大日如来座像 (平安時代末期 1176年 木造 運慶作 国宝 高さ99cm)  (2021.8.4)



端正な表情で繊細な髪の表情はさすがです    (2021.8.5)


                          
                          是非見ていただきたい像です   (2021.8.6)

円成寺の他の像も紹介します


阿弥陀如来坐像 (平安時代後期 木造 重要文化財 高さ145cm)  (2021.8.7)

                      
                      四天王 持国天立像 (鎌倉時代  木造  重要文化財 高さ116cm) (2021.8.8)


次は静岡県伊豆の国市にあります 願成就院 (がんじょうじゅいん)の仏像です。


願成就院 

願成就院は1189年に北条時政によって建立され北条氏の氏寺として繁栄しました。

運慶の作品は関東にも多くあって源氏や北条との関係もあったと思われます。 (2021.8.9)



阿弥陀如来坐像 (鎌倉初期 1186年  木造 国宝 運慶作 国宝 高さ142cm)

重量感のある阿弥陀様で膝の布のひだの深さや流れはさすが運慶と感心します。  (2021.8.10)


         
         不道明立像 (鎌倉初期 1186年  木造 国宝 運慶作 国宝 高さ137cm)
         右 制ぃた迦童子(せいたかどうじ)像 (鎌倉初期 1186年  木造 国宝 運慶作 国宝 高さ82cm)
         左 矜羯羅童子(こんがらどうじ)像  (鎌倉初期 1186年  木造 国宝 運慶作 国宝 高さ78cm)
          (2021.8.11)



矜羯羅童子(こんがらどうじ)像  (鎌倉初期 1186年  木造 国宝 運慶作 国宝 高さ78cm)
彫りが深く陰影がしっかりしている  (2021.8.12)


             
             あどけないが目を吊り上げて威嚇している矜羯羅童子(こんがらどうじ)像   (2021.8.13)



制ぃた迦童子(せいたかどうじ)像 (鎌倉初期 1186年  木造 国宝 運慶作 国宝 高さ82cm)
(2021.8.14)

                  
                  目を寄せて物思いにふけって居る様な制ぃた迦童子(せいたかどうじ)像
                  
表情がとても良い像です  (2021.8.15)



毘沙門天立像  (鎌倉初期 1186年  木造 国宝 運慶作 国宝 高さ148cm)

とても立体感のあるさすが運慶作です  (2021.8.16)


次は同じく関東横須賀市の浄楽寺です。

運慶の仏像が見られるのは3月3日、10月19日 10:00〜15:00 の特別御開帳日のみとなっています


浄楽寺  (2021.8.17)


        
        阿弥陀三尊像  (鎌倉時代 1189年 木造 重要文化財)  (2021.8.18)


            
            阿弥陀如来坐像 (鎌倉時代 1189年 木造 重要文化財)  (2021.8.19)


                            
観音菩薩立像 (鎌倉時代 1189年 木造 重要文化財)           勢至菩薩立像 (鎌倉時代 1189年 木造 重要文化財)
(2021.8.20)


                    
                  不動明王立像 (鎌倉時代 1189年 木造 重要文化財)  (2021.8.21)


                      
                     毘沙門天立像  (鎌倉時代 1189年 木造 重要文化財)  

早く国宝として後々まで多くの人が見られる様に成ると良いのですが、 (2021.8.22)


次は有名な東大寺 南大門の 金剛力士立像 です


東大寺南大門  (鎌倉時代 重源上人による  国宝)  (2021.8.23)


     
金剛力士立像 阿形像 (鎌倉時代1203年 寄木造り 国宝 高さ840cm) 吽形像 (鎌倉時代1203年 寄木造り 国宝 高さ840cm)

運慶、快慶、湛慶、定覚が関わったようですが 諸説によって誰が 阿形像、吽形像に関わったか定かではなさそうです  

大きさと言い、躍動感と言い世界に誇れると思います。(2021.8.24)


東大寺には運慶と推定される作品で南大門を造り、大仏殿の鎌倉時代の再建をした重源上人座像があります。

                                 
                               重源座像(重源は房号を俊乗と言いこの像は俊乗座像とも呼ばれます)
               (鎌倉時代 運慶作説 木造 国宝 高さ82cm 7月5日、12月16日のみ俊乗堂にて開帳)
               (2021.8.25)


次は興福寺 北円堂の仏様をご紹介します。

     
     北円堂 (木造721年に建てられたが1180年に被災後1210年に再建された 国宝)
     毎年 春と秋の特別公開日のみ拝観できるが今年はコロナで秋の拝観はどうなることか?  (2021.8.26)

     本尊 弥勒菩薩坐像

              
              弥勒菩薩坐像 (鎌倉時代 桧寄木造 国宝 運慶一門作 高さ142cm)  (2021.8.27)


私が運慶の彫刻で一番好きな 無著像 と世親像

                           
                          無著立像 (鎌倉時代 桂寄木造 運慶作 国宝 高さ195cm)  (2021.8.28)


                                 
                                 今にも動きだしそうなリアルな表情  (2021.8.29)



世親立像   (鎌倉時代 桂寄木造 運慶作 国宝 高さ192cm)  (2021.8.30)


                     
                     今にも話し出しそうな世親像   

ミケランジェロも生まれていなかったこの時代では世界で一番の彫刻だと思います (2021.8.31)


弥勒菩薩の四隅を守ります四天王像


多聞天立像 (鎌倉時代 木心乾漆造 運慶作 国宝 高さ135cm)  (2021.9.1)


          
          増長天立像 (鎌倉時代 木心乾漆造 運慶作 国宝 高さ137cm)  (2021.9.2)


                   
                   広目天立像 (鎌倉時代 木心乾漆造 運慶作 国宝 高さ140cm)  (2021.9.3)


                               
                               持国天立像  (鎌倉時代 木心乾漆造 運慶作 国宝 高さ137cm) (2021.9.4)


興福寺には運慶と推定される木造の仏頭があります
最近は運慶作とかなり確証を得ているようです。

       
       木造仏頭  (鎌倉時代 桂材寄木造 運慶作 重要文化財 高さ98cm) (2021.9.5)  


次は高野山 金剛峯寺の八大童子立像です (現在高野山霊宝館「100周年記念大宝蔵展」にて見れます)

運慶作と言われる二体は  矜羯羅童子(こんがらどうじ)  制多伽童子(せいたかどうじ) 


 矜羯羅童子(こんがらどうじ) (鎌倉時代 桧寄木造 運慶作 国宝 高さ95cm)  (2021.9.6)


                
                運慶らしい理知的な表情  (2021.9.7)


                      
                      制多伽童子(せいたかどうじ) (鎌倉時代 桧寄木造 運慶作 国宝 高さ103cm)
                       (2021.9.8)


                                   
                                   玉眼で生きているようです  (2021.9.9)


他の6体は慶派の作と思われています


清浄比丘童子(しょうじょうびくどうじ)  (鎌倉時代 桧寄木造 慶派作 国宝 高さ97cm)
(2021.9.10)


          
          恵喜童子(えきどうじ)  (鎌倉時代 桧寄木造 慶派作 国宝 高さ99cm)
           (2021.9.11)


                     
                     烏倶婆ガ童子(うぐばがどうじ) (鎌倉時代 桧寄木造 慶派作 国宝 高さ103cm)
                     (2021.9.12)


                                
                            恵光童子(えこうどうじ) (鎌倉時代 桧寄木造 慶派作 国宝 高さ96cm)
                            (2021.9.13)


                                       
                                指徳童子(しとくどうじ)  (鎌倉〜南北朝時代 桧寄木造 慶派作 国宝 高さ98cm)
                                (2021.9.14)


                                                                                                   
                                            阿耨達童子(あのくたどうじ)(鎌倉〜南北朝時代 桧寄木造 慶派作 国宝 高さ50cm)
                               (2021.9.15)


高野山 金剛峯寺は 弘法大使空海を祭る大変広い寺ですが、快慶の時にも紹介しますが、

大変多くのとても良い仏像が多く霊宝館に収納されています。 


剛峯寺 霊宝館 

展示される物はホームページでチェックして見たいものが展示されている時に伺ってください。

今年は前にも紹介しました「100周年記念大宝蔵展」で普段見れないもの後奥見られるチャンスです。 (2021.9.16)


次は六波羅蜜寺の地蔵菩薩像です

              
              六波羅蜜寺  (2021.9.17)


    
    地蔵菩薩坐像 (鎌倉時代 運慶作伝 一木造 玉眼 重要文化財 高さ90cm)

服のひだなどはさすがと思われる彫です。  82021.9.18)


                     
                     顔の表現  単調だが清楚な感じがうかがえる  (2021.9.19)


次は関東にあるとても似通った大日如来座像です。

まずは栃木県 光得寺 の大日如来坐像 (現在 東京国立博物館に寄託されています)


栃木県 光得寺   (2021.9.20)


         
         厨子に入った状態の 大日如来坐像   (2021.9.21)


                  
                  大日如来坐像 (鎌倉時代 運慶作伝 寄木造 玉眼 重要文化財 高さ32cm)
                  (2021.9.22)


                        
                        髪の毛の細かさ  顔の表情 運慶特有の理知的さなど 運慶作で間違いないと思います。
                        (2021.9.23)


もう一体は2008年にオークションで宗教法人真如苑が購入し 半蔵門ミュージアムで常設で見られる大日如来坐像です。


                  
                  真如苑 大日如来坐像 (鎌倉時代 運慶作伝 寄木造 玉眼 重要文化財 高さ66cm)
                                      光得寺像の約倍の大きさになります。     (2021.9.24)


                        
                 これも髪の繊細さ 理知的な表情からして 運慶作で間違いないでしょう


2008年に東京国立博物館はこの二つの大日如来を特別に展示した 「二体の大日如来像と運慶うんけい様ようの彫刻」 展を開催しました。
(2021.9.25)


次は愛知県岡崎市にあります滝山寺の仏像です。


   滝山寺 本堂

この寺は源頼朝の従兄弟の寛伝上人が頼朝の三回忌に惣持禅院を創建。
本尊として頼朝公の御歯と御髪を納めた聖観音菩薩・梵天・帝釈天の三尊像を仏師、運慶・湛慶父子が造立したと伝えられています。
(2021.9.26)


              
              聖観音菩薩立像 (鎌倉時代 1201年 運慶作伝 木造 彩色 重要文化財 高さ174cm) 
              (2021.9.27)


                    
                    聖観音菩薩詳細 このお顔の中に頼朝の歯と髪が納入されている  (2021.9.28)


                     
                     梵天立像    (鎌倉時代 1201年 運慶作伝 木造 彩色 重要文化財 高さ106cm)
                     (2021.9.29)


                         
                         梵天 詳細    (2021.9.30)


                    
                    帝釈天立像    (鎌倉時代 1201年 運慶作伝 木造 彩色 重要文化財 高さ104cm) 
                    (2021.10.1)


                       

                       帝釈天 詳細 運慶らしい理知的で端正なお顔です  (2021.10.2)

この三体とてもきれいな状態ですが、江戸時代に再塗色されていて 重要文化財止まりとなっているそうです   

この寺には快慶作といわれる十一面観音立像もあります

            
            十一面観音菩薩立像 (鎌倉時代  快慶作伝  木造 彩色 )  (2021.10.3)  


次は運慶作説とされる仏像で興福寺南円堂に安置されていたとされ現在は中金堂に安置されている四天王立像です。


広目天立像 (鎌倉時代 運慶作説 国宝 かつら寄木造 彩色 高さ197cm)  
(2021.10.4)


            
           増長天立像   (鎌倉時代 運慶作説 国宝 かつら寄木造 彩色 高さ207cm) 
           (2021.10.5)


                        
                        持国天立像    (鎌倉時代 運慶作説 国宝 かつら寄木造 彩色 高さ200cm) 
                        (2021.10.6)


                                     
                                     多聞天立像 (鎌倉時代 運慶作説 国宝 かつら寄木造 彩色 高さ197cm)                                     (2021.10.7)


次は源頼朝と縁の深い神奈川県金沢八景にあります 瀬戸神社の舞楽面です 裏面に運慶作と書かれているようですが断定はされていません


    
    瀬戸神社  (2021.10.8)


            
             抜頭  (鎌倉時代  運慶作説 重要文化財  木造 )    (2021.10.9)


                         
                         陵王    (鎌倉時代  運慶作説 重要文化財  木造 )    (2021.10.10)


運慶最後は浄瑠璃寺にありました十二神将立像ですが、現在は辰神、巳神、未神、申神、戌神の五体は東京国立博物館に

子神、丑神、寅神、卯神、午神、酉神、亥神の七体は静嘉堂文庫美術館にあります


浄瑠璃寺    (2021.10.11)


            
            東京国立博物館       (2021.10.12)
  


辰神立像 (鎌倉時代 重要文化財 運慶作説 ひのき寄木造 彩色 玉眼 高さ78cm)  (2021.10.13)


         
         巳神立像 (鎌倉時代 重要文化財 運慶作説 ひのき寄木造 彩色 玉眼 高さ70cm)  (2021.10.14)


                
                未神立像  (鎌倉時代 重要文化財 運慶作説 ひのき寄木造 彩色 玉眼 高さ71cm)
                (2021.10.15)


                         
                         戌神立像  (鎌倉時代 重要文化財 運慶作説 ひのき寄木造 彩色 玉眼 高さ75cm)
                         (2021.10.16)


                                      
                             申神立像  (鎌倉時代 重要文化財 運慶作説 ひのき寄木造 彩色 玉眼 高さ71cm)
                             (2021.10.17)



静嘉堂文庫美術館      (2021.10.18)


                     
                     亥神立像  (鎌倉時代 重要文化財 運慶作説 ひのき寄木造 彩色 玉眼 高さ71cm)
                     (2021.10.19)


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