KAKO  ARCHITECT   &   PARTNERS

  

建築  雑コラム 33

Architecture         The s   Column    

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フォートワース・ダラスの建築

昨年10月にアメリカ、フォートワース、ダラス、シカゴへ行ってきました。

まずはフォートワース、ダラスの建築からご紹介します。

フォートワースはテキサス州の首都ダラスの西50Km に位置した都市で空港は中間にあってダラス・フォートワース国際空港を共有しています。


ダラスはアメリカ中央南部テキサス州の州都です。(2017.5.21)


                            
                            フォートワースはダラスの西50Kmと近くにあります。(2017.5.22)

ダラス・フォートワース国際空港へは成田空港より11時間20分で到着する直行便があります。

名古屋から8:20の成田便で乗り継いで成田発10:40のダラス・フォートワース行きを利用すると14時間以内で行けます。

フォートワースにはルイス・カーン(1901年〜1974年)の設計したキンベル美術館があります。

この美術館が観たくて今回の旅行は計画をスタートしました。


ルイス・カーン(1901年〜1974年(2017.5.23)

                           
                           キンベル美術館(1972年)

私が大学生の頃カーンの弟子の工藤国雄先生が名工大にいまして大学の研究室にも遊びにみえたことがありました。

カーンについて熱く語られたことを思い出します。(2017.5.24)

私はソーク研究所(1965年)、キンベル美術館(1972年)、バングラディッシュ・ダッカ国会議事堂などルイス・カーンの建築が好きでたぶん影響も

うけて居ると思います。

キンベル美術館の西隣にはフィリップ・ジョンソンが設計したエイモン・カーター美術館(1961年)があり

東隣には安藤忠雄の設計したフォートワース現代美術館(2002年)があります、

また2013年にキンベル美術館の新館をレンゾ・ピアノが設計しています。

この関係がとても面白い、そこからお話しします。(2017.5.25)



エイモン・カーター美術館、キンベル美術館、フォートワース現代美術館

2本の街路に挟まれた三角形の街区にこの三つの美術館があります。(2017.5.26)

まず最初に三角形の頂点にフィリップ・ジョンソンが鉄筋コンクリート造でエイモン・カーター美術館を建てました。

続いてルイス・カーンがエイモン・カーター美術館の正面の景観を避けて建物を配置して6本のかまぼこ型アーチのストライプでキンベル美術館を創りました。

ルイス・カーンは鉄筋コンクリート建物を得意とする建築家で合板型枠コンクリート打ち放しそして三角の出目地は世界でこの建築が初めてと思います。

その東に現代美術館を創ることになった安藤忠雄はやはり鉄筋コンクリートの建築を得意とする建築家で尊敬するルイス・カーンの正面を避けて

北にカーンのストライプと直交する東西軸に5本のストライプで構成する鉄筋コンクリートの美術館を池の上に浮かべました。

そして2013年に鉄とガラスの建築を得意とするレンゾ・ピアノはキンベルの新館を旧館の西に旧館と同じ南北軸で鉄とガラスと木製梁で10本のストライプ

で新館を創っています。そして、カーンと安藤のコンクリートに負けないように地下一階から立ち上がった斜めの鏡のような打ち放しコンクリートの壁を

差し込むことでカーン、安藤からの流れを受け継ぐ気迫がありありと伝わってきます。

夫々の建築家の思いとリスペクトが伝わってくる建築でまた、それぞれの建築の質が高く、それぞれの建築家らしい作品たちです。(2017.5.27)

まずは、フィリップ・ジョンソン(1906年〜2005年)のエイモン・カーター美術館(1961年)からご紹介します。


フィリップ・ジョンソン(1906年〜2005年)(2017.5.28)


フィリップ・ジョンソンの初期の建築で後方の展示棟はダークのタイルで前方のエントランスホール棟は古典的な列柱をモチーフに地元の大理石

シェルストーンで貼られた白い建物で構成されている。


ダークな後方展示棟とシェルストーンを貼った列柱の前方エントランスホール棟(2017.5.29)


          
          貝殻が残る地元テキサスの大理石シェルストーン(2017.5.30)

エントランスホール棟の前方には四角の少しくぼんだテラスの前方にはフォートワースの街が観れる見晴らしの良い丘の上にある。


前方テラス(2017.5.31)


              
              エントランスホール棟正面の列柱(2017.6.1)


                   
                   シェルストーンの列柱(2017.6.2)


                                    
                                    とても綺麗なラインの列柱ディテール(2017.6.3)

ダークな展示棟の中央にはやはり四角のホールがあって正面に左右に分かれる階段と天井は四方からのシェルから光を取り入れ虹色の何百本の糸

による現代アートは大学で教えていただいた庄司達先生の作品を思い出します。


四角のホールと階段、虹色の糸の現代アート(2017.6.4)


          
            四方からのシェルからの光(2017.6.5)

フィリップ・ジョンソンの建物で良く使われるボキャブラリーがこの建物にはあふれています。

真四角のグリッドで構成された空間そしてそれがよく表れた天井のディテールは磯崎さんの建物を思い出します。


真四角の構成と天井ディテール(2017.6.6)

この様にすっきりとまとめられた天井は最近ではよく見かけるのでなんでもなく感じますが、このディテールが世界に広がった基ではないかと思います。

                       
                       連続する門型 

これも多くの建築家がしている連続する門型の構成、ここは中央の床が少しスロープとなっていて歩くと遠近効果がある感じがします。

このコラムで何度も言っていると思いますが、私はフィリップ・ジョンソンの作品は初期の作品の方が好きです。

エイモン・カーター美術館も次に紹介しますキンベル美術館も個人の美術館で入場無料で観ることができます。

これも、アメリカのボランティア精神の一端なのかもしれません。(2017.6.7)

キンベル美術館は1966年から1972年にかけて創られた、ルイス・カーン(1901年〜1974年)晩年の作品である。

                         
                         ルイス・カーン(1901年〜1974年)(2017.6.8)

かまぼこ型のコンクリートのボールトを3つ繋げたストライプが6列で構成された建物です。


イサム・ノグチの彫刻庭園「星座」を前景にかまぼこ屋根が6つ並ぶ(2017.6.9)

   
   南からのアプローチ(2017.6.10)

      
      西面(2017.6.11)

          
          コンクリート打ち放しのボールト屋根と柱、壁には大理石トラバーチンが同面で貼られている(2017.6.12)

               
          ボールト種詳細 屋根には銅板が貼られていて両端に樋がある、ボールトと壁はスリットがあり光が入るようになっている(2017.6.13)


正式のエントランスは東側 地下からのアプローチになっている。かまぼこボールトユニットが3つ繋がった中央部分から入ることになる。(2017.6.14)

       
       左影部分がエントランス 北方向のピース 東面、北面は1層地盤面が掘り下げられている(2017.6.15)


             
             北面 館員駐車場側から(2017.6.16)

                
                    
                    コンクリート打ち放し 出目地 入り目地 木コンのディテール(2017.6.17)


                          
                          出目地ノディテール(2017.6.18)

地下エントランス正面に受付があって左右に階段がある。


トラバーチンの階段 (2017.6.19)

   
        
        ステンレス板を?型に折り曲げた手すり(2017.6.20)


            
            階段を上ると中央売店ホールになっていてボールと天井が出迎えてくれる(2017.6.21)


                      
                      売店 (2017.6.22)


                           
                  かまぼこボールトの中央の天窓からの光をアルミ板にパンチングされた反射板の光がコンクリート天井を均質に照らす
                  (2017.6.23)



反射板詳細 アクリル板とアルミパンチング版の複合の様だ場所によってパンチングの穴の率や部分が違っているようです。(2017.6.24)

         
         端部のスリット部分の光はとても幻想的です。(2017.6.25)


               
           展示室の様子 絵には直射日光は当たっていなく天井面からの反射光で均質な光を部屋全体に提供しています。(2017.6.26)



同じく展示室、東洋のコーナーもあって快慶の釈迦如来立像もあります。(2017.6.27)


          
          中庭が3つあります、そのうちの一つはレストランとつながっています。(2017.6.28)


             
             このレストランバイキングでお皿の大きさで値段が決まっています、とてもおいしくてお薦めです。(2017.6.29)



もう一つの中庭は少し小ぶりで水盤があります。(2017.6.30)


                 
                 トラバーチンの水盤(2017.7.1)

地下エントランスのサイドにこの建物に至るまでのいくつかの模型や工事中の写真が展示されていました。


工事中の写真(2017.7.2)

私はこのかまぼこボールトのコンクリートはあまりにもきれいなのでプレキャストで造ったものを載せていると思っていました。

でもこの写真を見る限り現場打ちのコンクリート打ち放しで間違いなさそうです。

ものすごく神経を使って、丁寧に打たれたに違いありません。

                
                かまぼこボールト現場うちの写真(2017.7.3)


旧館の西に中庭を挟んで新館があります。


新館(2013年)(2017.7.4)


新館は2013年にイタリアの建築家レンゾ・ピアノの設計によって建てられました。

                        
                        レンゾ・ピアノ(1937年〜)

                           
                           RCの柱に集成材の木の合せ梁、のストライプが10本(2017.7.5)

屋根と壁はガラスで創られています。


旧館と向かい合う中庭の下は地下駐車場で新館建設時には地下1階レベルで総掘りして駐車場を造りその上にこの大きな木を植栽している。

       
       集成木合せ梁とスチールの垂木ガラスの庇のディテール、とてもきれいに納まっています。(2017.7.6)


             
             内部、ホール 


                  
                  展示室 直射日光が入らないよう工夫してあります。(2017.7.7)

今までの美術館の常識では屋根天井をガラスにする事はほとんどタブーになっています。

直射日光や、紫外線など作品を劣化させない工夫がされてこの美術館は出来たのでしょう。

技術とパラレルな関係で表現する、レンゾ・ピアノらしい美術館です。

                            
          この斜めになったコンクリート打ち放しの表面は鏡面の様になめらかで安藤忠雄の打ち放しとは違ったコンクリートに仕上がっています。

レンゾ・ピアノがルイス・カーン、安藤忠雄の コンクリートに 向き合って創ったのがこの壁だと思いました。 きれいなむしろ金属っぽいコンクリートです。
(2017.7.8)

次はキンベル美術館の東隣に安藤忠雄が設計したフォートワース現代美術館(2002年)を紹介します。

                
                安藤忠雄(1941年〜)(2017.7.9)



正面エントランス側から見た建物

コンクリートは屋根ラインのみで アルミのフレームにガラス、かなり大きなアルミパネルで被われた建物です。

今まで見た安藤の建物のプロポーションよりやや高めです。(2017.7.10)


        
        東の池に浮かぶ建物(2017.7.11)

池に浮かべる建物は安藤忠雄も良くやるパターンですが、私はここが一番よくできていると思います。

            
            大きな庇を受けるYの字の柱 きれいに上下反射しています。(2017.7.12)


                      
                      大きなコンクリートの平たい屋根とそれを受けるY字の柱が象徴的(2017.7.13)

この建物は四角い閉鎖的なBOXと壁で空間を創ってきた安藤の今までと違ってガラスの開放的なBOXの上に大きな庇のコンクリート

そしてルイス・カーンのキンベルのストライプを引き継ぐストライプの構成で建物ができています。


安藤忠雄のスケッチ  左上のボールトはキンベルをイメージしています。 下の断面スケッチはストライプからの光の入れ方のスタディーでしょう

現代美術の展示室は最近は天井高が高く4500位が一般的で2層の展示室にトップライトの空間を上に載せているので安藤のプロポーション

より高くエレベーションを感じた理由が理解できました。(2017.7.14)



安藤忠雄がこの建物でやりたかったのは多分これだと思います。

水に建物を浮かべることで水の波紋が室内の壁や天井にゆらゆらと反射し影を映します。

日本庭園に浮かぶ数寄屋建築では軒裏などによくこの波紋を観ることができます。

また最近の近代建築では坂倉順三の鎌倉近代美術館での波紋が有名です。

たぶんこれを観たアメリカ人は自然を写し込んだ建物の表現として高く評価している様子は

この建物の館員が高く安藤忠雄を評価していた事から読み取れます。(2017.7.15)


エントランスホール(2017.7.16)

          
          展示室

                               
                              展示室サイド  トップライトからの明かり  キンベルほど感激はわかない(2017.7.17)

私が安藤さんらしい空間を感じたのは


階段廻りのこの部分です。(2017.7.18)


                  
                  この空間が安藤さんのプロポーションの空間だと思った唯一の空間でした。(2017.7.19)


フォートワースで観た建築をあと二つ御紹介します。二つともキンベル美術館から徒歩20分以内の距離にあります。

まずは メキシコの建築家で高松宮殿下記念世界文化賞を受賞しています、メキシコの建築家リカルド・レゴレッタ(1931年〜2011年)が

設計しましたフォートワース科学歴史博物館です。


リカルド・レゴレッタ(1931年〜2011年)(2017.7.20)


           
           フォートワース科学歴史博物館(2009年)(2017.7.21)

レゴレッタの建築はモノクロで伝えると半分も伝わらない空間になります。

フォートワースはメキシコに近いと言えば近い位置にありますから古い建物でもメキシコっぽさを感じるものが良くあります。

この建物の外壁は赤オレンジ色の砂岩が貼られています。エントランス棟上部のトップライト部分は黄色いガラスが使われています。

                
                エントランス前にあるトンネル状の遊具(2017.7.22)

日本にもよくある小学生などの遠足で行く科学館や子供館の様な用途の建物です。

                         
                         エントランスを入ると9.11のワールドトレーディングセンターの鉄の柱が展示されています。(2017.7.23)

トップライトの黄色い色に染まったねじ曲がった柱は異様な雰囲気で出迎えます。


エントランスを過ぎると大きな空間のホールになっていて恐竜が出迎えます。右の壁は紫階段の正面の壁はオレンジ色です。(2017.7.24)


               
               天井はキンベルを模したのか?半円ドームが連続しています。色は白です。(2017.7.25)


                      
                      左に中庭が見える通路部分ピンクの壁とオレンジの天井で染まった空気の中を歩いているようです。

きっとメキシコシティーに行ってカーサ・バラガンの建築を観たら、もっと感激することと思います。(2017.7.26)

エイモンカーター美術館の南道路迎えにフォートワース・コミュニティー・アーツ・センター(1954年)があります。

この建物は安藤忠夫が設計したフォートワース現代美術館ができるまでは、近代美術館として利用されていました。


フォートワース・コミュニティー・アーツセンター(1954年) (2017.7.27)


         
         角地の敷地でL字のプランで角を丸くデザインしてあります。(2017.7.28)

設計はバウハウスで写真や、グラフィックデザインで有名なヘルベルト・バイヤー(1900年〜1985年)で外壁はエイモンカーター美術館でも紹介しました。

この地方産出の大理石シェルストーンです。

                    
                    シェルストーン (2017.7.29)


エントランスホール 

           
           劇場 (2017.7.30)


次はダラスの建築をご紹介します。

フォートワースからダラスまでは鉄道(ITC)で約40分で行けます。フォートワースとダラス共通の一日券を駅で購入するとダラス市内の交通も

この券でフリーパスとなってとても便利です。


ITC フォートワース駅 (2017.7.31)

ガラスの高層ビル ウェール・ファルゴ・バンクビルの足元に I・M・ペイの設計した噴水の公園がありますが、工事中でした。


ウェール・ファルゴ・バンクビル

             
             工事中の I・M・ペイの設計した噴水の公園 (2017.78.1)

この公園を少し東に歩道を歩いていくとポケットパークがあります。


ポケットパーク

コンクリート打ち放しの壁があります。(2017.8.2)

調べてみましたが、確かではありませんがお隣のメキシコの建築家ルイス・バラガンの作と言われているホームページを見つけました。

             
             噴水 

ルイスバラガンのアマンデスの噴水もこんな感じに近いのでそうかもしれません、しかし色がついていないとバラガンらしくない。(2017.8.3)

もう少し東へ歩くとプリツカー賞受賞者のアメリカの建築家エドワード・ララビー・バーンズの設計したダラス美術館があります。

               
               エドワード・ララビー・バーンズ(1915年〜2004年)(2017.8.4)



ダラス美術館(2007年)(2017.8.5)

          
          ダラス美術館 エントランス(2017.8.6)

              
               展示室内部(2017.8.7)

この美術館はかなり大きく展示作品もとても多くあって見ごたえがありました。

                                             
                                             休憩コーナー(2017.8.8)

ダラス美術館の隣にイタリアの建築家レンゾ・ピアノが設計したナッシャー彫刻センターがあります。


ナッシャー彫刻センター(2003年)

               
               レンゾ・ピアノ(1937年〜)(2017.8.9)


                    
                     外観 スチールフレームのガラス屋根をワイヤーで吊って持たせています。


配置図

6列のコンクリートに大理石を貼った壁とその間をスチールで吊ったガラス屋根で創られた建物です。(2017.8.10)



内部 ガラス屋根の上にFRPのルーバーで直射日光が入らないように設計されています。(2017.8.11)

           
           ガラス屋根とFRP ルーバー

                     
                     ルーバー詳細

このルーバーは10cmくらいの厚みで直射日光が入らないようコントロールされています。またガラス屋根の外で熱も逃げる様に通風スペース

が確保されています。

さすがテクノロジーを得意とするレンゾ・ピアノらしい建物です。

それほど大きな建物ではありませんがレンゾ・ピアノらしさが溢れた、傑作だと思います。

私の好きな建物リストの一棟になると思います。(2017.8.12)


エントランスを入ると左右に階段が下に降りています。(2017.8.13)


             
             地階からこの階段を見上げると1階にはないダイナミックな空間です。

                           
                           階段の段板は木でディテールもとてもきれいに納まっています。(2017.8.14)

ナッシャー彫刻センターから北東に200mほど行くとアメリカの建築家 I,M,ペイ の設計したマイヤーシンフォニーセンターがある。


マイヤーシンフォニーセンター

ポストモダンぽい建物で変形した外壁の納まりが不自然です。

              
              変形した外壁

                       
                       I・M・ペイ(1917年〜)(2017.8.15)

I・M・ペイはフランスのルーブル美術館にガラスのピラミッドを創って有名です。

                           
                           内部ホール(2017.8.16)

マイヤーシンフォニーセンターの隣にイギリスの建築家ノーマン・フォスターが設計したAT&Aパフォーミングアートセンターがあります.

外部に大きなフレームの庇がある建物ですが、中に入る事ができませんでしたので外部の写真のみとします。


AT&Aパフォーミングアートセンター

                  
                  ノーマン・フォスター(1935年〜)(2017.8.17)

この建物の迎えに、オランダの建築家レム・コールハスの事務所OMAが設計したウィリーシアターがあります。


ウィリーシアター(2009年)

この建物はAT&Aパフォーミングアートセンターの一部で劇場となっているそうです。

ガラスの外壁の外にアルミの変形したパイプを並べています。たぶん日本の簾の様な外部とのつながりを狙ったと思われますが、

実際観て何の感動もありませんでした。

            
            ガラスの外壁の上に大きさの違うアルミパイプ(2017.8.18)


                        
                         アルミパイプ詳細
 
                                     
                                     所々変形してたり絞ってあったりする


レム・コールハス(1944年〜)

レム・コールハスは高く評価された建築家ですが、これで5軒ほど観て感動を受けた建物はありません。

やりたい事は読めるんですが、どうも私とは相性が合わないのかと思われます。(2017.8.19)

南に500mほど下った街中の三角の公園の中にフィリップ・ジョンソンが設計したサンクスギビングスクエアーがあります。


サンクスギビングスクエアー  

                  
                  フィリップ・ジョンソン(1906年〜2005年)(2017.8.20)

フィリップ・ジョンソン では珍しい建物というかオブジェに近い記念碑だと思うのですが、渦巻くバベルの塔を思い出させます。

                                                      渦巻く塔?


内部もスロープで登れます。(2017.8.21)


                   
                   見上げると渦巻くステンドグラスから色のついた光が降り注ぎます。

感動しました。 フィリップ・ジョンソンの意外な一面を観たようで、またその才能も見直しました。(2017.8.22)

I・M・ペイ(1917年〜)のペイらしく大胆な傑作と思います、ダラス市庁舎でダラスの建築を終わりとします。

                                   
                       I・M・ペイ(1917年〜)


ダラス市庁舎(1977年)(2017.8.23)

               
               斜めのカットが大胆でアメリカらしい

                     
                     大胆だけではなくきっちりとした納まりもさすがです。

 ゾーニングと構造セクションがきれいに一致しています。

I・M・ペイの作品を観て感じたことは、私の師匠広瀬一良とよく似たところがあって、斜線が好きで、とてもうまく斜線を使っています。

これでフォートワース・ダラスの建築を終わります。
(2017.8.24)


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