建築 雑コラム 5
Architecture The s Column
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美しい物はかなり集まったが今だ結論は出ていない、たぶん一生結論は出ないのではないかと思う、
もう何十年とやってきて思うことは恩師志水先生が言われた「本物をよく見なさい」の言葉に帰っていくのだと思う様になりました。
最近見つけた気に入った器です
備前焼 魚谷清兵衛
魚谷さんの本職は岡山の乾物屋さんで変わった陶芸作家です。
でも初めて見た薄さを持った備前焼で軽やかで尚且つ素材感があって気に入っています。(2012.4.24)
だらだら続けて文章を綴ってきたがコラムはやはりテーマを付けて仕切っていった方が良いのではと気が付きました。
今までの文章を少しテーマを付けて仕切ってみました。
もう一つつい最近見つけたものを紹介します。
私は花の世界は全く知りませんが ホームページのこの生け花を見てそして毎日変わる花を楽しんでいます。
下記の川瀬敏郎 一日一花 のホームページ 毎日楽しめます。
http://www.shinchosha.co.jp/tonbo/blog/kawase/
(2012.4.25)
「仏像」
美しい物探しを始めた頃に出会った本で 和辻哲郎の「古寺巡礼」がある。
この本の影響で仏像が好きになった。というかこの本を読んで三十三間堂に行って仏像に出会ってからと言った方が正確だと思います。
蓮華王院 三十三間堂は 皆さんよく知って見える京都の古刹で1月に行わる通し矢の行事が有名です。
現在の建物は鎌倉時代の物ですが、創建は平安末期後白河上皇が平清盛の財力で建てたとされています。
この建物は免震効果が考えられている特徴があります。
まず基礎地盤は砂と粘土を何層にも重ね固めた版築(はんちく)で地震力を吸収する効果があります。
梁も二本の梁でつなぐ二重紅梁(にじゅうこうりょう)とし壁も土壁ではなく柱に溝を掘って板を落とし込んだ板壁工法です。
(2012.4.26)
中央の仏像は千手観音像で運慶の子湛慶の作であるそれを囲むように千体の千手観音立像が立ち並びます。
この千体の仏像は運慶の慶派の仏師のみでなく全国から仏師が集められて創られたのでよく見るといろんな特徴があります。
千手観音坐像 千体の千手観音立像 雷神
千体の千手観音像の前に点在する二十八部衆立像や、堂の裏廊下に並ぶ像、中でも風神雷神像は力感もあって私のお気に入りです。
日本の仏像 特に運慶快慶の仏像はロダンやミケランジェロの彫刻に劣らない、むしろミケランジェロより素晴らしいと私は思います。
(2012.4.27)
いろんなお寺を訪問しましたが、三十三間堂のような天国に居るように菩薩に囲まれた空間を感じるのはここだけです。
人生で周りが敵だらけになった時とか、落ち込んで「自分なんか!」と思った時ここへ行かれると良いと思います。(観光客の少ない早朝に)
これだけ多くの菩薩に囲まれていれば百人力でしょう!
もう一つ私のスランプ脱出は夕日の海岸へ行きます。そうすると私がどう動こうとも太陽の光は私に向かってきます。
私は見放されていないのだ! もっと行くと舞台上のスターの様にライトを浴びている感覚になります。
仏像から話題がずれましたがゴールデンウイークですからまあ・・・(2012.5.1)
運慶の仏像を紹介します、私は春になるとなぜか行きたくなるのが奈良です、そしてなぜかモーツアルトを聞きたくなる?
ですから奈良の運慶でまずお薦めは北方向にある円成寺で運慶の仏像は真言宗(弘法大師のお寺)に多いのですがこの寺も真言宗です。
円成寺 本堂 蓮池の向こうに楼門がある
平安時代の浄土式庭園のかたちで、この池がこの世とあの世を横切る池で池の向こうは浄土の世界を表現しています。
山間にひっそりある寺で木造の大日如来像となります。
大日如来は曼荼羅の中心に座る仏様で真言宗の寺に良くあります。
運慶二十代の作 円成寺 大日如来像 (2012.5.2.)
次は東大寺ですが南大門の金剛力士、阿形像は快慶、吽形像は運慶が中心の創られたと言われています。
南大門 大仏殿
大仏殿は聖武天皇が8世紀に創建し平安末期に一度焼失し重源上人によって再建されました。
江戸時代にもう一度焼失し現代の大仏殿は江戸時代に再建されたものです、
重源の大仏殿は現在の大仏殿の1.5倍の大きさがあったと言われています。
運慶作 重源像
重源を日本の建築家のルーツと言われることがありますが、私は唐招提寺を建てた方をルーツとしたい!(2012.5.3)
話はそれますが、私はずっと疑問に思っていたことがあります。
それは日本建築の歴史で登呂遺跡の次に天平の時代の法隆寺そして平安時代で東大寺が突然出てくるのはどう見ても技術的進歩の歴史から見て不自然に思います。
この間を埋めるべく建築の歴史が隠されているように私は思うのですが!いかがでしょうか? (2012.5.4)
基礎なしの掘立柱の登呂遺跡 法隆寺 (2012.5.5)
運慶に戻って、運慶及び慶派の仏師は 奈良 興福寺境内で普段は雑役の仕事をして興福寺内に拠点があったようです。
興福寺は阿修羅像で有名ですが他にも多くの仏像が国宝館内にあります。
興福寺 阿修羅像 (2012.5.6)
興福寺の北円堂には運慶の弥勒如来坐像と両脇に無著菩薩立像と世親菩薩立像があります。 何れも傑作です。
北円堂 弥勒如来坐像 無著菩薩立像
北円堂は春と秋の特別公開日のみ拝観できます。 (2012.5.7)
その他の地域の運慶を紹介します。京都は意外に少なく六波羅蜜寺の地蔵菩薩座像があります。また運慶像、湛慶像もあります。
愛知県岡崎市の滝山寺に観音像、梵天像、帝釈天像があります。
伊豆韮山の 願成就院に阿弥陀如来、不動明王、毘沙門天、
そして私が表現が好きな制多迦童子(せいたかどうじ)像、矜羯羅童子(こんがらどうじ)像があります。
滝山寺 帝釈天 願成就院 制多迦童子(せいたかどうじ) 矜羯羅童子(こんがらどうじ)像
(2012.5.9)
最近の彫刻家で薮内佐斗司さんの彫刻はこの制多迦童子像、矜羯羅童子と共通する表現があり好きです。
高野山 金剛峯寺にも多くの運慶快慶作の仏像があります。 同じく制多迦童子像の表情もすばらしいものです。
運慶の仏像の目は水晶がはめ込まれていてリアルです。
薮内佐斗司 一粒万倍勝虫童子 高野山金剛峰寺 運慶作 制多迦童子像
(2012.5.10)
快慶の作品で私の好きの物は高野山金剛峯寺 霊宝館のあります。
快慶作 孔雀明王 四天王の増長天立像 (2012.5.11)
運慶快慶以外の仏像では飛鳥時代の作品で京都広隆寺と奈良中宮寺の弥勒菩薩がある。
飛鳥時代の仏像は百済の影響が強く繊細でスレンダーでこの後天平になるとふっくらとしてきますから良く見分けれます。
広隆寺 弥勒菩薩 中宮寺 弥勒菩薩 法隆寺 百済観音 (2012.5.12)
弥勒菩薩は56億7千万年後の未来にこの世にあらわれて導かれ菩薩から如来になると言われています。
如来になった姿を前に出しました興福寺北円堂の弥勒如来像の様に如来像で祭っているところもあります。
唐招提寺 弥勒如来像 (2012.5.13)
運慶以外で是非見てもらいたい仏像は滋賀県渡岸寺(どうがんじ)十一面観音です。
この菩薩は本当に美しいと思います、東洋のビーナスと言ってもよいと思います。
観音菩薩は一般的に女性のように言われますが、姿を自由に変える能力を持つ菩薩で男性にも女性にもなれます。
ですから中性と言われます。
変化した11の面を持つ像が十一面観音菩薩像です。
奈良の法華寺と海龍王寺の十一面観音像も私は好きです。
渡岸寺 十一面観音像 法華寺 十一面観音像 海龍王子 十一面観音菩薩像
(2012.5.14)
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