建築 雑コラム 31
Architecture The s Column
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2017年 明けましておめでとうございます。
クランペンボ-海岸監視塔(1932年) (アルネ・ヤコブセン)
デンマーク・フィンランド
昨年6月にデンマーク・フィンランドに行ってきました。
まずデンマークはドイツ、オランダの北に位置する北欧の国です。
北欧というとスカンジナビア半島を思いうかびますが、ノルウェー、スエーデン、フィンランドと違ってスカンジナビア半島の国ではありません。
ヨーロッパ地図(2017.1.1)
ユトランド半島とその周辺の島々からなり、首都はシェラン島にあるコペンハーゲンです。
デンマーク地図(2017.1.2)
デンマークは北欧の高福祉高負担政策の国で2014年の国連世界幸福度報告では1位となっています。
消費税が世界一高い25%でなんで国民は幸福なのかと言えば、教育費無料、医療費無料、介護費無料、国営住宅無料、
ですから生活や老後の不安もなく無駄な貯蓄も必要なくなります。
北欧の国はどこも高額な税金で多くの公務員が国民の生活を支えています。
公務員の年間給料は日本の半分以下で天下りもありませんから税金が駄々漏れ状態の日本と違います。
市会議員も無給でボランティアです。議会は仕事を終えた夜間に行われるそうです。
この状態で市会議員選挙に出馬する人は、日本で出馬する市会議員とは違った志のある人だと思います。
またその人たちを選ぶ選挙投票率は90%を上回ります。そして一般市民は税金の使われ方を細かくチェックしています。
北欧の高福祉高負担政策に対し、日本では小さい国だからとか、高税率の負の話が良くされますが、民主主義の発展した一つの典型だと思います。
ただアメリカ合衆国が目指す民主主義とはかなり違っていますので北欧型典型の情報は広まりにくく、あまり良く言われません。
私は北欧型の民主主義の発展の方法も参考にして行くべきだと思います。(逆にアメリカ型の先には明るい民主主義が見えてこない様に思います)
(2017.1.3)
建築の話に戻ります。
まずはコペンハーゲンの玄関
コペンハーゲン中央駅(1911年) (ハインリッヒ・ウェンク) (2017.1.4)
レンガ造でナショナルロマンティシズム様式です。アムステルダムの中央駅でも感じましたが、この中央駅も細部までデザインされたレンガ造りで
辰野金吾の東京駅が貧相に見え、さすがヨーロッパはレンガ造の歴史が長く、日本の明治建築はモノマネの文化なのだと感じます。
中央エントランスに入るとイスラム建築風のドームが迎える。
エントランスドーム (2017.1.5)
ハインリッヒ・ウェンク(1851年〜1936年)(2017.1.6)
コンコースは鉄と木の複合トラスで中央にトップライトがあってとても気持ちの良い空間となっている。
コンコース (2017.1.7)
デンマークで有名な建築家は アルネ・ヤコブセン(1902年〜1971年)です。
アルネ・ヤコブセン(1902年〜1971年) (2017.1.8)
ヤコブセンはスエーデンの建築家アスプルンドや、フィンランドの建築家アアルトから多くの影響を受けています、
また第二次大戦中はアアルトの手助けもあって、スエーデンに友人の建築家ポール・ヘニングセン夫妻と共に亡命しています。
北欧のデザインというとシンプルで素地の木を使ったおしゃれなデザインをイメージしますが、このシンプルなデザインは以前からあったものではなく
この3人が主に生み出したデザインが派生して北欧のデザインの基礎になっている様に感じます。(2017.1.8)
ヤコブセンの建築を見ていきましょう、コペンハーゲンの北、電車で30分くらい行った所にKlampenborrg(クランペンボー)駅があり海岸に近いまち
があります。ヤコブセンはこの海岸に建つレストランや劇場、集合住宅のコンペに29歳の若さで勝ち取りスタートする。
この街にはヤコブセンの住んでいた住宅もあってまずヤコブセンを知るには最初に訪れたい場所です。
コペンハーゲン近郊を動くにはコペンハーゲンカードが便利です。かなり広範囲の電車、バス、多くの美術館・博物館・チボリ公園など利用が可能で
24時間、72時間、120時間のカードがあります。
コペンハーゲンカード (使用開始の日時を記入する、エストー(市電)内でよく職員がチェックに来る)(2017.1.9)
Klampenborrg(クランペンボー)駅を降りて海岸側を見て左方向に乗馬クラブがある
乗馬クラブ(1934年)(2017.1.11)
外部 倉庫の様な単純な外観(2017.1.12)
トップライトでかなり明るく外観からは想像できない内部です。(2017.1.13)
海岸に行きますと
有名な監視塔があります、この監視塔は同じものが3か所あります。(2017.1.14)
柱は松の丸太ペンキ塗りです。(2017.1.15)
休憩所(宿泊もできそう)の建物コスタルバスも数か所建っています。
宿泊もできそうな海の家(一軒はL字になっていて、それが連続しています)(2017.1.16)
かなり高さを低く抑えてあります。(2017.1.17)
海岸通りの迎にはレストランと併設された劇場のベラビューシアター(1937年)がある。
ベラビューシアター(1937年)(2017.1.18)(2017.1.18)
左右の壁は壁面緑化されている。中には入れなかったが劇場内は木が多く使われ、天井は開閉できるようになっているようです。
木の格子枠に繁殖するツタの壁面緑化(2017.1.19)
エントランス久軒裏に木が使われている、内部の劇場の木につながっているようです。(2017.1.20)
左隣にレストランが続きます。
ベラビューシアターレストラン部分(1937年)(2017.1.21)
2階のバルコニーフレームや四角い窓のプロポーションは洗練されたモダニズム建築です。
現在左2/3と2階は集合住宅に改装されて使われている。左にみえる窓はベラヴィスタ集合住宅(1934年)
レストランエントランス(2017.1.22)
隣にコの字型に配列された集合住宅 ベラヴィスタ集合住宅(1934年)がある。
ベラヴィスタ集合住宅(東棟)
監視塔の薄い屋根のイメージがこの住宅の屋根にも共通している(2017.1.23)
中央棟はシンプルなデザインになってます
4層が1軒で1階が玄関ガレージ2〜4階が住居になっています
バルコニーの細部のディテールもとてもきれいです。(2017.1.24)
コの字に囲われた中央部は後の1961年にコートハウスの集合住宅が建てられた。
中央部コートハウス
コートハウス エントランス(2017.1.25)
ちょうど一軒改修中だったので中を見せてもらいました。
工事用で壁に貼ってあったプラン
採光も通風も良さそうな部屋
私たちの年代ではコートハウスというと坂倉建築研究所の西澤文隆氏を思い浮かべる
彼の著書「コートハウス論 その親愛なる空間」の発行が1974年だったことを思うとこのコートハウスが1961年にできたことの斬新さが理解できる。
(2017.1.26)
第二次世界大戦前のベラヴィスタ集合住宅(1934年)の南にスーホルムT、U、Vがあるヤコブセンがスエーデンの亡命から帰ってきて最初の仕事が
スーホルムTです。
スーホルムT(1950年)
外壁にタイル、そして勾配屋根と戦前のフラットルーフに白い外壁からかなり変わってきている。
私たちの世代ではこのスタイルは懐かしいスタイルで学生時代流行っていた宮脇檀、東孝光に似たものを感じる。
三層になっていて1階にガレージトイレ、洗濯、サウナ、2階にベッドルーム、個室、D,K、三階にリビングルーム(2017.1.27)
道路に一番近い家がヤコブセンの自邸になっています、残念ながら中に入ることはできませんでした。
ヤコブセン自邸 自邸案内看板(2017.1.28)
スーホルムTの奥西面にスーホルムU(1951年)建てられた。
2階建ての長屋スタイルだが台形に切り込まれたベランダ部分がアクセントになっている
台形に切り込まれたベランダ部分、1階の垣根はツタの茎を編んだもの
メンテランスはされているのだろうが、この住宅が私が生まれる前からあって、もう65年も経っている事が素晴らしいと思います。
鉄板にパンチングの丸い穴から光が漏れる、今でも斬新なディテール(2017.1.29)
スーホルムUの北にスーホルムVが建てられやはりコの字型の配置になっている。
スーホルムV
二層で一層埋め込まれたスタイルの建物で
サンクンガーデンによって採光通風を確保している(2017.1.30)
スーホルムより南へ海岸通りを30分ほど歩くと戦前1937年に建てられたテキサコのガソリンスタンドにたどり着く
テキサコのガソリンスタンド(1937年)現在も現役で使われている
レジ部分丸い照明がヤコブセンらしい
車庫部分を売店に改装してありました(2017.1.31)
次は1956年に竣工したロドオウア市庁舎を紹介します。
市庁舎へはエストーBラインRodovre駅からバス161番でRodovre Radhus駅下車します。
ロドオウア市庁舎(1956年) 外構工事中でした(2017.2.1)
ここで試されたカーテンウォールは1960年に創られるSASロイヤルホテルのカーテンウォールに展開されています。
裏面 柳の木の左に議事室があります
カーテンウォール詳細 ステンレスFBのマリオンにスチールの見付けの細い窓(2017.2.2)
議事室(無給の市会議員が週一回議会を開くそうです)
テンションで吊ってある階段 とても綺麗な階段でした
今見るとよく見慣れたガラスのカーテンウォールですが、1956年(私が2歳の頃)にこのカーテンウォールはとても斬新だったと思われます。
またディテールも見れば見るほど繊細できれいに納まっています。(2017.2.3)
この市庁舎の迎えに1969年に建てられたロドオウア図書館があります。
ロドオウア図書館(1969年)外からは窓一つない石張りの閉鎖的な建物
厚さ50mmの花こう岩(こげ茶と黒の混じった)が外壁から浮かせて積まれて目地は透いている(2017.2.4)
内部は点在する中庭の光を光沢のあるエンジに近い茶色の光沢のある天井に光を反射させて明るい
実相院のモミジ床を思い出しました。
岩倉実相院 モミジ床(2017.2.5)
最近ジャン・ヌーベルやヘルツオーク&ド・ムーロンなどが天井を光沢にして光を反射させる手法をよく使います。
この方法は日本に古くからあって、縁側の天井に庭の白砂の光や池の光を反射させ室内を明るくする手法そのものです。
日本では光のみでなく水や、木の葉影などの影も写しこんで自然を楽しむ手法です。
中庭
中央のレクチャーホール 四方のハイサイドから光が降り注ぐ
コートハウスの手法がとてもうまくこの図書館に応用されていてヤコブセンの才能が十分発揮された建物だと思います。(2017.2.6)
市役所から北へ歩いて20分ほどに1964年に建てられたニュエア小学校がある。
ニュエア小学校(1964年)
中庭と一体になったクラスター型の教室で天井の高いハイサイドからの採光が部屋全体を明るくしている
もう一つ1957年に建てられたケムンゴー小学校を見てみましょう。(2017.2.7)
ケムンゴー小学校へはエストーAライン Vangede駅下車 徒歩15分ほどにあります。
ケムンゴー小学校(1957年)
中庭と一体になったクラスター型の教室 やはりハイサイドの窓から採光を取っている(2017.2.8)
1200ほどあるPC板のキャンティー階段
中庭と教室(2017.2.9)
北側の2階建て教室
体育館(2017.2.10)
体育館 ステンレストラスのマリオン
体育館 内部
現在の日本の学校でもこれ以上の学校建築はないと思います、1957年(私が3歳)にこの学校が出来た事に驚愕します。(2017.2.11)
コペンハーゲン中央駅の近くに1960年に建てられたSASロイヤルホテルがあります。
SASロイヤルホテル(1960年)
ロビー と エッグチェアー(2017.2.12)
階段
ヤコブセンの階段はどれを見てもとても綺麗です。(2017.2.13)
地下鉄Kongeens Nytorv駅で下車して南へ10分ほど歩くと1971年に建てられたデンマーク国立銀行がある。
デンマーク国立銀行(1971年)
ファサード 詳細(2017.2.14)
出入り口は1か所のみで後は壁が延々と続く、一か所の入り口から入って守衛さんに見学希望を伝え、玄関ホールのみ見学できた。
とても高い、5層ほど吹抜けで正面に吊階段がとても綺麗に浮かび上がっています。
ホール(本から)(2017.2.15)
アルネ・ヤコブセンの建築は今回初めて観ましたが、どれも秀作でディテールもとても綺麗で勉強になりました。
デンマークにはもう一人有名な建築家がいますシドニーオペラハウスを設計した、ヨルン・ウォッツオンです。
ヨルン・ウォッツオン(1918年〜2008年)
シドニー・オペラハウス(2017.2.16)
エストー A,HラインのBagsvaerd駅から北西へ徒歩20分くらい行った所にバウスベアー教会(1976年)があります。
外観は薄いグレーの倉庫のような建物で教会とは思われません、たぶんカトリックではなくプロテスタント系の教会だと思います。
バウスベアー教会(1976年)(2017.2.17)
正面(2017.2.18)
しかし、一歩中に入るとそこは白い柔らかい光に包まれた、まさに北欧の教会だと思わせる空間が待っています。
礼拝堂 左が正面 正面に対し直交させたドームは初めて見る。(2017.2.19)
正面 白と白木の木のコントラスト 床と正面クロスの模様に緑 のみの色彩は正に北欧のデザイン(2017.2.20)
両サイドに光の入る列がある(そうか、バジリカのスタイルもこの列柱の並び方だ)
裏方の各部屋への通路上部はトップライト(2017.2.21)
次は、やはりデンマークの建築家で
高松宮殿下記念世界文化賞を受賞した建築家ヘニング・ラーセン(1925年〜2013年)の建物を紹介します。
ヘニング・ラーセンはデンマーク王立美術アカデミー卒業後AAスクール、MITで勉強しアルネ・ヤコブセンの事務所で働き独立しています。
ヘニング・ラーセン(1925年〜2013年)(2017.2.22)
まずはコペンハーゲンの駅の近くにあります
新カールスバーグ彫刻美術館です、この建物は1897年に建てられた建物を1996年にヘニング・ラーセンが
拡張・改修したものです。
新カールスバーグ彫刻美術館(2017.2.23)
内部(2017.2.24)
2005年に竣工したオペラハウスは運河の対岸にあって水上バスか、バス9A にて行きます。
オペラハウス(2005年) 1m以上ある庇とガラスの丸いエントランスホールが切れのあるデザインで印象的(2017.2.25)
ガラスのエントランスホール詳細(2017.2.26)
ホール内部 左の春慶塗の様な木仕上の劇場部分に白いブリッジの通路が行き交うホール
劇場の内部も見たかったのですが、残念ながら見れませんでした。(2017.2.27)
次は国際的に有名になった建築家ビヤルケ・インゲルスがひきいる
ビヤルケ・インゲルス・グループ(BIG)の作品を紹介します。
ビヤルケ・インゲルス(1974年〜) 1998年〜2001年オランダの建築家レム・クールハースの事務所OMAで働き独立する。(2017.2.28)
BIGはコペンハーゲン、ニューヨーク、北京に事務所を持ち200人くらいの大事務所になっている。
(
最近の海外の若い建築家は、グループで100人以上の事務所で国際的な拠点を数か所持つ傾向があって日本の縮小傾向と逆のように思われる)
まずはコペンハーゲン市内で地下鉄M1号線θrestad駅から徒歩10分にあるVHハウスを見てみましょう。
VHハウス(2006年)(2017.3.1)
三角のベランダがガラスの壁面からランダムに飛び出した建物です。
見かけだけではなくこのベランダよく使われているようでした。(2017.3.2)
6mほどあるキャンティー吊って持たせています。(2017.3.3)
1階はピロティーになっていてル・コルビュジェのユニティの様です。
下部ピロティー(2017.3.4)
裏面
裏面は表面と比べてインパクトはありませんが、よく見るとメゾネットで構成されている様です。
メゾネットですからベランダもアトランダムにすることができたのでしょう、そういえばマルセイユのユニティもメゾネットになっていました、
たぶんこの建物の下敷きはユニティだったと思われます。(2017.3.5)
次はコペンハーゲンから郊外電車で1時間くらい行ったヘルシンオアにある
デンマーク国立海洋博物館に行きましょう。
デンマーク国立海洋博物館(2013年)
この建物はかってあった船工場のデッキの形を残しその外部の地下に部屋を配置した建物です。(2017.3.6)
デッキの形の中庭をアプローチ兼廊下が飛び交う
飛び交うスロープ(2017.3.7)
内部ホール
展示室から玄関ホールに上る階段
ヘニング・ラーセンのオペラハウスのホールの通路も空中を飛び交っていたがこの海洋博物館も飛び交う通路どうもデンマークの建築家は飛び交う通路
が好きの様です。(この後に紹介する国立図書館にも飛び交う通路が出てきます)
2つの建物を観てビヤルケ・インゲルスとても才能のある建築家だと思いました。今後が楽しみです。(2017.3.8)
ヘルシンオア(前出のデンマーク地図のヘルシングエーア)に来ましたのでこの街を少し散策します。
前出のデンマーク地図でも分かる様に数キロの海峡を渡ると対岸はスエーデンです。
スエーデンは酒税が高いらしくスエーデンからわざわざ船に乗ってお酒を買いに来るそうです。
岬の先に
世界遺産クロンボー城があります。
世界遺産 クロンボー城(2017.3.9)
中庭
北に行くほどロシアのネギ坊主に近づいていく塔の先端のデザイン(デンマーク人はたぶん全く違うと言うと思いますが)(2017.3.10)
内部メインホール 木の梁が並ぶ天井と緩いアーチの連続が気持ちいい空間です。
華美なフランスのホールより質素ですが、私はこのホール好きです。
王妃の部屋 プラスター塗りの天井 左官の技術も日本同様いい仕事しています。(2017.3.11)
シェークスピアのレリーフ
なぜかシェークスピアのレリーフがあります、なぜかと言いますとこの城「ハムレット」の舞台となった場所らしく、
シェークスピアは王子Amlethの最後のHを頭に持ってきて「Hamlet」としたそうです。(2017.3.12)
次はやはりデンマークの建築事務所
ルンゴー&トランベア建築事務所 の新国立劇場(2008年)(地下鉄M1,2Kongeens Nytorv駅)
新国立劇場(2008年)(2017.3.13)
ホール階段(2017.3.14)
劇場内部
運河の対岸にヘニング・ラーセンのオペラハウスがあります。(2017.3.15)
地下鉄M1 DR Byen St. (Metro)駅から徒歩15分くらい行った所にやはり
ルンゴー&トランベア建築事務所が設計したティッゲン学生寮があります。
ティッゲン学生寮(2004年)
鉄骨造で外壁は木材が使われています。ドーナツ状の建物です。(2017.3.16)
1階は集会場、トレーニング室、図書室、自転車置き場などパブリックスペースとなっている
エントランス、エレベーターホールは5か所あります。(2017.3.17)
ドーナツ状の建物ですがアトランダムな凸凹によって、窓や、梁などは全て直線材で構成可能になっています。(2017.3.18)
中庭、中庭側に飛び出している部屋は共同キッチンとなっている(2017.3.19)
1階エントランスゲート、左はスリットエレベーター(2017.3.20)
主宰のレイネ・トランベア(1956年〜)はデンマーク出身の女性の建築家です。 (2017.3.21)
デンマークの建築事務所で主宰キム・ヘルホッフ・ニールセンの率いる
3XNが設計した
水族館ブループラネット(地下鉄M2Kastrup駅)
キム・ヘルホッフ・ニールセン(1954年〜)
水族館 ブループラネット(2017.3.22)
エントランスアプローチ(2017.3.23)
内部水槽(2017.3.24)
次は通称ブラックダイアモンドの引用が付く
デンマーク国立図書館(地下鉄M1,2Christianshaven駅)を見に行きます。
デンマーク国立図書館(1999年)(2017.3.25)
左の新館と右のレンガ造の旧館の間をブリッジでつなぐ
新館と旧館の間には道路が走っていてブリッジはその上を行き交う(2017.3.26)
ビヨーン・ハマー ジョン・F・ラッセン モンテル・シュミット 1986年に
建築家集団シュミット・ハマー・ラッセンを結成
外壁の真っ黒なアフリカ産御影石とブラックガラスが同面に納まっている(2017.3.27)
内部ブリッジが飛び交うデンマークではよくあるデザイン
BIG,ルンゴー&トランベア事務所、3XN、建築家集団シュミット・ハマー・ラッセンとデンマークでは若い建築家が育ちそれぞれ100人以上の
大事務所でロンドン、ニューヨーク、上海などにも分所をもって発展している。また個人事務所ではなくグループで組織を形成してデザインも組織で
している、21世紀の新しい建築家のスタイルを見る様な気がしました。(2017.3.28)
デンマークの建築家以外の作品を紹介します。
ザハ・ハビット(1950年〜2016年)の
オードロップゴー美術館(郊外電車Klampenborrg駅からバスにてVilvordevej駅)
ザハ・ハビット(1950年〜2016年)
オードロップゴー美術館 エントランス (2005年)(2017.3.29)
外部
床、壁、屋根とつながったRC造に断面部はフラットな嵌め殺しのガラス(2017.3.30)
カフェテリア内部
端部の床は跳ね上がっている(2017.3.31)
この美術館は木造の旧館に新しくザハ・ハビットの新館を増築しています、敷地も広く森の中に美術館があります、
また家具デザイナーのフィン・ユールハウスの家も敷地内にありました。
フィン・ユールハウスの家 中に家具も展示されているようですが、今回は工事中で中に入れませんでした。(2017.4.1)
もう一つデンマークで有名な美術館を紹介します。
ルイジアナ美術館です
(Klampenborrg(クランペンボー)駅とHelsinger(ヘルシンオア)駅の中間Humlaek駅下車徒歩15分)
住宅街にある目立たない入り口のルイジアナ美術館(2017.4.2)
目立たない入り口から回廊式の地下展示室を回遊できます。
展示室の大部分は地下に埋められています。(2017.4.3)
地上波海を望む公園の様で有名な彫刻が点在します。(2017.4.4)
2時間ほどは十分かかるとても気持ちのいい美術館でした。(2017.4.5)
フランスの建築家ジャン・ヌーベルが設計したDRコンサートホール(地下鉄M1 DR Byen St. (Metro)駅)はRC造の像の肌の様な皺のよった打ち放し
の建物をブルーの架設ネットが覆ったような建物で、やりたいことは分かるのですが、全然きれいではありません。
ジャン・ヌーベル (1945年〜)
DRコンサートホール(2017.4.6)
ブルーのネットで被われている。まるで建設途中の架設ネットの様です。(2017.4.7)
雑誌で見ると内部のホールは中央にステージを設けて客席が360度周りを囲むスタイルのホールになっています。
内部を観たかったのですが入ることができませんでした。
雑誌より内部ホール(2017.4.8)
これでデンマークは終わり、フィンランドに移ります。
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